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【秋葉原アンダーグラウンド】第6章 11話

トガの拳はボロボロになっていた。その拳からは骨が突き出し血が滴り落ちている。


「どうした?妾は先ほどから一歩も動いておらんぞ。さっさと当ててみぃ。」

「ったくなんて頑丈なバリヤーだ。」


トガはまだ生きているほうの拳で火拳を当てる。様々な角度からぶつけてはみるものの、そのバリヤーの強度はどこも同じだった。しだいにこちらの拳も壊れかけていく。


「トガとやら、もうよい。妾は急いでおるのじゃ。なんならお前さんが妾を殴りつけながら仕事をしても構わんのじゃよ。」

「それじゃあオレが遊んでるみたいじゃねぇか。」

「違うのか?先ほどから遊んでいるようにしか見えんのだが?」


イザナミは笑ってみせる。トガは苛立ってはいたが、血を流しすぎたせいかいつもの冷静さを取り戻しつつあった。


「できればこれは使いたくなかったんだけどな。」


トガはイザナミから距離を取り始めた。2人の間は約10mほどとなった。


「なんじゃ?奥義でもあるのか?」

「まぁな。ただ守るだけのお前じゃいたぶるだけに思えて気が進まなかったんだ。それでもオレはお前を脅威と判断したんだ。ありがたく思え。」


そう言うとトガはその場で構え正拳づきをしてみせた。当然イザナミには届かない。


「そんな遠くから打ってどうする?風圧すらとどか・・・」


ガンっ。急にイザナミは頭部に打撃を受け、その場によろけてしまった。


「貴様一体何を・・・」


するとトガは今度は反対の拳で正拳づきをする。数秒後、今度はイザナミの腹部に打撃が走る。かはっ。イザナミは思わずその場に座り込んでしまった。


「なぜじゃ。なぜ攻撃が当たる?」

「それはお前の内側を狙っているからに決まっているだろう。」


イザナミはトガが何を言っているのかわからなかった。絶対反射の内側から?そんな攻撃聞いたこともない。イザナミは出力をあげ、反射の能力に磨きをかける。しかしトガが拳を振るう度にその攻撃は無常にも当たってしまう。イザナミは思わず片膝をつく。すると、地中を移動している1匹の竜の姿が見えた。これは一体・・・


「見えたか?普通の人間には見えはしないのだが。やはり貴様は強いな。」

「なんじゃこの龍は?」

「そいつは青龍といってな、普段は大地という大きな河に住まわせてある。だが時として天高く昇ることがあってな。お前を通ったタイミングでオレの拳をのせている。青龍とオレは一心同体だ。だから必中の攻撃なんだよ。」

「聞いたことがある。古武術では遠当てとでも呼ぶのじゃろう。」

「よく知っているな。だがここからはオレ流でいかせてもらう。」


するとトガは拳に炎を固めた。イザナミはというと初めてその場から動き出した。しかし逃げても逃げても青龍に追いつかれてしまう。またしても青龍が地上へと昇りイザナミの体を通り抜けようとする。


「火龍!」


今度は炎の拳がイザナミを襲う。その炎は青白く火力が高かった。肉だけでなく骨まで焦がすその炎はイザナミを地べたに這いつくばらせる。


「グゥゥゥ・・・あついぃぃぃ・・・。」


尚も青龍は地中を動き回る。また立ち昇られるとマズい。そう判断したイザナミは青龍が真下にきたタイミングで地面に拳を叩きつけ破壊しようとする。しかしその攻撃も虚しく青龍は地中深くまで潜ってしまい当たらなかった。


「青龍はオレの意思が作り出したいわば幻獣だ。攻撃は当たらんよ。」

「ならば本人を直接攻撃するまでじゃ!」


イザナミはトガに向かい走り出すが、またしても青龍が体にまとわりつく。


「このクソ龍がぁあ!そうじゃ、一旦大勢を立て直してから・・・。」


イザナミはここに来る時に通ってきたゲートを探すがどこにも見当たらなかった。ついさっきまでは開いていることを確認していたつもりだったが。


「ゲートを探しているのか?さっき急に閉じたぜ?どうやらお前のお仲間さんも倒されたみたいだな。」

「クッソォぉお・・・!」


トガは火龍を連打するとイザナミはたちまち青い炎に包まれ、しだいにその姿を消していった。


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「ライの反応が消えました。」

「あれから15分といったところか?カラスめ自爆しよったな。」


ロンは他の者達は?と聞くと、未だ交戦中ですとミカサは答えた。


「あっ・・・」

「どうしたミカサ?」

「ツクヨミがやられました。時間はほとんどかかっていません。」

「だろうな。ミカサ・・・後ろ。」


ミカサは後ろを振り返るとそこにはカイの姿があった。その手にはボロボロになったツクヨミを抱えている。ミカサは電気の能力をカイにぶつけようとしたが、カイの持つ大剣に薙ぎ払われてしまう。


「お前、ツクヨミに何をした!」

「何をしたって、襲いかかってきたから返り討ちにしてやっただけだ。」


ツクヨミは1級レベルだ。決して弱い訳ではない。それをものの数分で片付けてしまうとは、この男は一体何者なのだ?


「それよりもライはどこだ?」

「ライは死んだよ。それもカラスの手によってだ。」

「何・・・?そうか、そういうことか。」


カイはそう言うと一瞬でミカサを後にし、ロンに向かい大剣を振り下ろした。


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