見出し画像

【秋葉原アンダーグラウンド】第4章 10話

講堂の何もかもが凍っていた。正確にはルナ側の空間だが、辺りは氷の世界と化していた。

「急に動くと自分がバラバラになってまうで。って聞こえてへんか。」

辺り一面と一緒にレンも氷漬けにされている。しかし次の瞬間、レンがまとっていた氷にヒビが入り、そして脱出することができた。

「聞こえてたんか?バラバラになる言うたで?」

しかし、レンには先ほどまでの傷は残っていたが、自身の氷が剝がれたことによる傷は負っていなかった。

「あっぶね。マジで死ぬかと思った。」
「どないなってん?ウチの氷結が効いてへんの?」

レンは氷結が起きる瞬間、周辺の大気を温めていた。そしてそれを自身にまとわせ、氷と自分の間に熱風の膜を作っていたのだ。

「へぇ。ただ風を起こしたり圧縮したりするだけやないんや。温度調整も可能なんやね。そしたら君、すでに2級以上やで。」

レンは息を切らしていた。トガの炎を思い出してとっさに思いついた技だが、体力の消耗が激しい。

「ちゃんと特訓しないとな。」
「せやで。特訓は大事や。」

ルナはそう言うと再度両手の指に氷の爪をまといレンのほうへ突っ込んでくる。さっきよりも速いスピードだ。どうやら氷の上を滑っているようだった。加えてレンの背後に氷柱の壁を作った。

「止められるもんなら止めてみぃ!力比べなったら後ろの氷柱でぐさりやで。」
「オレはもう逃げも隠れもしない。このままお前をなぎ倒す。」

レンはそう言うとルナに向かって突っ込んでいった。黄龍に風をまとわせている。いや風ではなく熱風だ。ルナに近づくにつれその風は大きく、赤く、まるで炎をまとっているように燃え上がっていく。

「確かに氷は火に弱い。けどな、絶対零度まで冷やした爪やったらどないなるんかな!」
「オレはそれをも超える!くらえ、朱雀!」

レンの姿はまるで不死鳥を思わせる朱雀のような形となり、衝突した瞬間、轟音とともにルナの10本の爪を砕きその場から吹き飛ばした。

シュンは地面に倒れこんでいた。シドに殴られる瞬間一部の細胞を軟質化させたが、まるでその効果がなかったほどのダメージを受けた。シュンは今にも意識が飛びそうだった。

「もうお終いか?」

シドはシュンを見下ろし呟く。まだまだと言いながら立ち上がろうとする姿はフラフラしていた。シドはそんなの構いなしに、シュンの腹に拳を入れる。血を吐きながらシュンはまたしても壁に激突する。今度はそのまま座り込んでしまった。

「まだやるかい?」

シュンは聞こえているのかわからないまま、何かブツブツと呟いていた。それを見たシドは今度は顔面に重い拳を入れる。シュンの頭は壁にめり込む形となり、その場から崩れ落ちた。

「まだ意識があるのか?」

シュンは倒れながらもまたしてもブツブツと何か呟いている。シドは今度はダイヤの槍を作った。倒れているシュンに向かい突き刺そうとしている。

「何をブツブツしゃべっているかわからないが今楽にしてやる。」

そして、槍を突き立てた。槍は地面のダイヤを砕くほどの勢いで突き刺さったが、そこにはシュンの姿はなかった。


いいなと思ったら応援しよう!