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【秋葉原アンダーグラウンド】第5章 12話

ステイルの突拍子もない発言に周囲は静まり返っていた。バンドをとる?そんなことをしたら皆一瞬でやられてしまう。ワンは言う。

「ダメに決まっているでしょ。」

ごもっともな意見だ。誰もがそう思っている。しかし、ステイルは真顔だった。そこには笑いもなにもない。

「ま、そうだよね。じゃあさ、無理矢理取っちゃうって言ったら話は変わるかな?」

皆はステイルが何を言っているのかわからなかった。バンドを取る?そんなことできるのか?リツさんだって大人しくしているんだぞ?レンはそんなことを考えていると、ステイルはバンドの繋ぎ目の辺りを触り何やら操作している。チリチリという音を立て、そのつなぎ目の辺りの表面が剥げていくように見えた。

「薬は体内に入れてしまうから100%能力は消えてしまう。でもさ、これって表面につけてるだけで一時的に使えなくするものでしょ?たしかに能力を練ることは難しい。でもこうやってバンドの繋ぎ目、一番弱いところに意識を集中すると・・・」
「やめろ!」

ワンは叫ぶも、ステイルはその行為をやめようとしない。バンドの表面はさらに音を立てて剥がれていく。ふとリツのほうを見ると、リツのつけているバンドも震えているように見えた。

「わかった!バンドを外す。ただし条件がある。」

急にステイルの動きが止まり、それに合わせバンドの動きも止まる。

「な~んだ。さっすが博士、わかってるねぇ♪」
「ここで暴れられちゃ困るからな。一旦外に出よう。」

ステイルは笑顔のまま振り返り、皆を先導するかのように歩き出した。レンやシュン、ワンやリツもそれに続く形となった。

「リツ、すまない。こうするしかなかった。」
「お前の言った通りだ。これが最善だ。まぁあいつが急に飛び出して来たらそのまま殺り合うつもりではあったが。」

そう言うと、リツはつけていたバンドをワンに見せる。バンドは辛うじて繋がっていたが、ほとんど外れかかっていた。

「ははは、対1級には効果なしか。一から作り直しだな。」

そう言うとワンはレンとシュンのほうを見た。レンやシュンのバンドはしっかりと固定されたままだった。

スラム街の外まで出ると門番が気を失い倒れていた。ステイルがやったのだろう。ワンはすぐさま介抱し、その後全員のバンドを外してやった。

「あ~、すっきりした。ずっとかゆくてしょうがなかったんだよね。」

ステイルはつけていたバンドの辺りをさする。レンは能力が戻ってくるような感覚を覚えた。ステイルもそうだがリツもさっきの状態からバンドを外そうとしていた。改めて1級との力の差を感じた。

「それじゃあ早速だけど、大人しくついてきてくれなさそうだから、殺ろっか?」

急にステイルの辺り一体の空気が変わった。

「レン、シュン、悪いがここは私にやらせてくれ。」

2人は何も言わず、リツに道を開けた。ステイルの雰囲気から明らかに2人は太刀打ちできないことはわかっていた。リツもそのまま戦闘態勢へと入る。リツの周りだけ大気の圧が重く感じられた。

「それじゃ行くよ、水珠。」

ステイルがリツに掌を向けると、無数の水の弾丸がリツを襲い掛かった。


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