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【秋葉原アンダーグラウンド】第6章 9話

「ほんとマジですげぇよ。アレくらっておいてまさか生きてるなんてな。でもそれももうお終い。オレもそうだけどお前もすっからかんだろ。」


イザナキはゼロヨンに向けていた銃をモズに向けた。銃口に力が溜まっていくのがわかる。イザナキは楽しかったよと言い引き金を引こうとする。しかし、引き金にかけた指が全く動かない。体力の限界か?イザナキは思わず引き金にかけた指を見ると、指の先から植物の根のようなものが生えており、指だけでなく手のひら全体に絡みついていた。これは一体?


「寄生木だ。お前の体内に植え付けておいた。」

「いつだ?というかお前の攻撃はオレには届いてなかったはずだ。」


イザナキはそう言うとハッとした。まさか最初の一撃か?いやしかし、体内まで届いてはいなかったはずだ。一体どうやって・・・


「おしゃべりなのが災いしたな。」


まさか口から入れたというのか?寄生木を服にでもつけておいて、オレがしゃべっている隙に移動させたのか?全く気が付かなかった。


「相手がお前みたいなやつで良かったよ。」

「クソがぁああ!」


イザナキは力を振り絞り、空中に具現銃を5つほど出現させた。それらから発射させようとしたとき、体内に植え付けられていた寄生木がイザナキの体を食い破り、体外へと次々と芽を出した。イザナキは倒れることも許されず、立ち尽くしたまま絶命した。


「モズ!」


ゼロヨンはモズの体を支え、ゆっくりと横にさせてやった。


「モズ、腕が・・・」

「大丈夫だ。腕2本で大勢の人間の命が救えたんだ。上出来だろう。それにしても・・・」


相手は1級クラスだ。もしかするとそれ以上の者もいるかもしれない。ライの反応が消えたことと関係があるのだろうか?カイやソウは大丈夫だろうか?そんなことを考えながら、モズはゼロヨンの腕の中で眠ってしまった。


――-

モズにつけた糸が遠い。ゲートから放り出されたソウがまず感じたのは自分の居場所だった。周りを見ると上野と書かれた看板があった。秋葉原から離れてはいるがそこまで遠い訳ではない。アマテラスの空間移動は一瞬でそう遠くまで運べないのかもしれない。そんなことを思っていると、目の前にゲートが開きアマテラスが姿を現した。


「静かな所が好きでね、ここで殺らせてもらうよ。」

「オレの相手はあんたという訳か。」


二人とも睨み合ってはいたが、特段構えている様子はなかった。


「私が相手だと不服か?構えることもしないとは。」

「そんなこと思ってないよ。これがオレのスタイルなんでね。」


そう言うとソウは徐に手のひらを差し出し、そこから数本金色の糸をアマテラス目掛け発する。アマテラスは目の前にゲートを作り出すと、それらの糸は全てゲートに飲み込まれてしまった。


「千手ソウ。その糸で私を拘束するつもりだろうが相性が悪かったな。私に貴様の攻撃は届かない。」

「何でもやってみないとわからないもんだよ。」


ソウはアマテラス目掛け走り出す。その両手には無数の糸が見える。ガンっ!銃声と共に鈍い音を立てソウが倒れる。頭を打たれたが糸で守っていたため外傷はない。それよりもどこから撃ってきたんだ?銃弾が飛んできたほうを見ると銃を持ったアマテラスの腕だけがゲートから顔を出していた。今度はアマテラスのほうを見ると、片方の腕だけを開いたゲートの中に入れていた。


「どうした?ゲートはこういう使い方もできるんだよ。さらにこういう使い方もな。」


アマテラスはそう言うとゲートから出していた腕を引っ込め、ソウの周りに無数のゲートを作り出した。そしてゲートに入っている自身の手から何発も銃弾を撃ち込む。それらはソウの周りのゲートからランダムに現れ、ソウはどこから飛んでくるかわからない銃弾の雨から身を守ることで精一杯だった。


「銃弾にも出力を込めてある。その守っている糸の力を少しでも抜けば貴様の体を簡単に貫くからな。」

「確かにやっかいな力だね。でもオレだってだてに1級をやらせてもらっていない訳じゃないよ。」


ソウは糸の弾力を僅かに弱め銃弾の先端だけが入り込む余地を作った。そして先端が入り込むと同時に、それを糸で絡め取った。何発もの銃弾はしだいにソウの糸に絡め取られていく。カシッカシッ。アマテラスの銃は弾切れを起こすこととなった。


「どうしたの?もっと撃ってきてもいいんだよ?」

「ふん。」


そう言うとアマテラスはソウの頭上に十数mほどのゲートを作り出した。ソウはそのゲートの中を覗くと何かが落ちてくるのが見えた。


「さてこれは裁ききれるかな?」


その落下物はみるみる大きくなっていく。まさかビルか?そう思ったソウは百はくだらない糸の雨をそれに向かい逆さから降らせる。時雨と名付けたその糸の雨はビルの底部から外壁に至るまで削っていく。しかし、ふとビルの窓に写る人影が見えた。まさか人が乗っている?


「お前まさか、現物のビルを移動させたな!」

「だから言っただろう?裁ききれるかなと。」


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