【秋葉原アンダーグラウンド】第5章 15話
リツは反応した際起き上がってみせたが、痛みのあまりすぐに横になってしまった。
「地上で何が起こっている。」
「それを調べるためにゼロサンとゼロヨンを向かわせたんだろう。」
レンとシュンは2人が何を言っているのかわからなかった。ゼロサン?ゼロヨン?発射?ミサイルか何かだろうか?
「だが2体ともせいぜい2級程度だろう?大丈夫なのか?」
「1級レベルの災害が発生していれば戻って幹部たちに知らせることになっている。それに今は2体に加えライも同行することになっている。足止め以上になるだろう。」
ライってたしか1級の人だよな?リツさんやステイルのレベルを見た後なら半端なく強いことはわかった。それよりも・・・
「地下の人間が地上へ行かなくちゃいけないってことは、能力者、もしかしてロンが絡んでるってことですか?」
「そういうことになるだろう。ただし、おそらくロン単独ではない。ロンはサラさんの蘇生液を持っている。地上の人間に能力を与えることなど容易だ。」
「それに、1級レベルを仕上げている可能性はかなり高い。まぁライがいれば不安要素はほぼないがな。」
ワンとリツはレンに語ってみせた。だがこのときリツの言う不安要素がないと言ったことが外れることになるとは誰も思ってもみなかった。
「よし、レン支度しろ。一度地上へ戻るぞ。」
「え?」
レンは思わず間の抜けたような声を出した。
「マユの様子が心配じゃないのか?」
そう言われてハッとした。ロンからすればマユは邪魔な存在だ。もしかしたらマユに危害を加える準備ができて動いたのかもしれない。
「わかった。でもリツさん、そんな体で動けるの?」
「まぁこうやって意識はあるからな。それに歩くことはできる。」
それは松葉杖を使ってのことじゃないかとレンはツッコミを入れたかったが、この状況でそれは言えなかった。
「さっきからオレのことは無視かい?」
急にシュンが口を開いた。
「シュン。お前にはここに残って引き続きワン博士の護衛をしてもらう。公社の連中もそうだが、ロンの刺客が襲ってくることも考えられる。」
不承不承という顔をしながらシュンは頷いた。
「少しのお別れだな。」
「永遠の別れにするんじゃねぇぞ。てめぇとの勝負はまだついてないんだからな。」
そういうとシュンは珍しく手を差し出してきた。レンは応えるようにその手を握った。リツはベッドから起き上がり、やはり松葉杖をつきながら立ちあがった。
「それじゃあ博士、こいつ口は悪いが強いやつではある。一応そばにおいてやってくれ。」
「わかった。頼りにしているよ。」
「なんかいろいろ聞き捨てならない気もするんですけど。」
4人は笑いあった。最近緊張ばかり続いていて、なんだか久しぶりに笑った気がする。
「それじゃあレン、行くか。」
「ああ。」
そう言うと二人はゆっくりながら部屋を後にし、そしてワンの作ったスラム街を出て行った。
