【秋葉原アンダーグラウンド】第4章 3話
おい!とレンは呼びかけるも、シュンはピクリとも動かない。まさか本当に死んでしまったのだろうか。レンはシュンのそばに駆け寄ろうとしたが、リツに制されてしまった。
「動くな。まだ勝負はついていない。」
「だってあいつ全く反応ねーぜ。早く助けねーと。」
「レン。これは死合だ。それをわかってシュンも戦っている。それで死んだのならそれまでの話だ。」
「でも・・・」
そのとき、エルが拍手をしているのが聞こえた。
「その通り。さすがはリツくん冷静だね。だが、2級以下でこれを直撃して生きているやつなんか一人もいないよ。さて、次はどちらが相手をしてくれるのかな?」
エルは笑っていた。その笑い声に人の命を奪うことになんのためらいも感じさせない。狂っている。レンは恐怖から動けずにいた。
「最近肩こりが酷くてな、いい刺激になったぜ。ありがとよ。」
シュンはふらつきながらもその場に立ち上がった。
「おかしいな。もうとっくに死んだかと思ったが、普通に話すこともできてるなんてね。」
エルはシュンに振り向かず呟いた。すると今度は、両方の手に電撃球を作り始めた。
「言っておくが、お前は今大量の電気を帯びている。この『通天球』を放てば一瞬でお前に当たるぞ。」
バチバチバチと轟音が鳴り響いている。今度は2つもある。しかもさっきの1000万ボルトより高圧に感じる。今度こそ、確実に死ぬ。
「まぁ普通に当たったら死ぬわな。だけど、能力者って普通じゃないんだろ?」
「オレから言わせれば皆普通だ。どんなトリックを使ったか知らんが、せめて苦しまずに逝かせてやる。」
エルの両手から通天球が放たれた。シュン!とレンは叫んだが、次の瞬間には巨大な雷が近くに落ちる音がした。あまりの眩しさに視覚を奪われたが、それでもうっすらとシュンのいるほうを見た。シュンはその場に立ってはおらず、消えていた。
「さすがに跡形も残らなかったな。」
エルはそう言うと、シュンの立っていた場所まできた。足元に広がっている土をすくってみたが、シュンが焼け焦げた跡の灰のようなものは一切なかった。おかしい。いくら出力を高めたとはいえ、灰が残っていないなんてありえない。急にエルは周囲を見回した。
「まさか。生きているのか?」
エルがそう言った直後、背後からシュンの手による刺突がエルの体を貫いた。
「がっ・・」
エルは血をはいてこそいたがその場には倒れず、貫いた腕を離さずつかみ放電を始めた。
「くくく、このまま感電死させてやる。」
放電の勢いは止まらない。エルとシュンの毛という毛が逆立っているのがわかる。しかし、シュンは息こそ上がってはいたものの、感電しているようにはまるで見えない。
「危なかったぜ。お前が雷人間だったらこの刺突も食らわせられなかったからな。」
「ばかな!なぜこの電力が効いていない!」
すると、シュンのもう片方の腕による刺突がエルをさらに貫いた。放電が弱まっていくのを感じる。ついにはエルはその場にうつ伏せるように倒れてしまった。その様子をみて安堵したのか、シュンもその場に仰向けで倒れた。
