#1【毒親育ち】はじまりの記憶|青緑の鉄扉に刻まれた不安
最も古い記憶
青緑色の冷たく重い鉄扉。
それが私の最も古い記憶だ。
今でもその色や形を目にすると、
当時の映像が頭の中に鮮明に蘇る。
1歳の夜
あれは、私が1歳になるかならないかの頃。
なぜそんなに小さな頃の記憶が
ここまで残っているのか、
自分でも不思議で仕方ない。
消えてほしい記憶ほど、
消えないものなのかもしれない。
私はベビーベッドで眠っていた。
重い扉が開く音、
小声で話す声で目を覚ました。
玄関を出ていく父。
その後ろには楽しそうに笑う母。
ドアが閉まった瞬間、
状況を理解できないまま、
もう戻ってこないのではないかと
いう恐怖と不安に襲われた。
「どこに行くの?」
「置いていかないで!」
必死に声を上げ、
青緑の鉄扉を見つめながら泣き叫んだ。
しかし記憶はそこで途切れている。
きっと泣きつかれて寝てしまったのだろう。
消えない感覚
大人になった今でも、
この記憶を思い出すたびに、
不安でいっぱいだった幼い自分を
抱きしめてあげたいと思う。
母の言葉と記憶のつながり
後に母から、
「寝ている隙にあんたを置いて
ラーメンを食べに行ったなぁ。
あれは楽しかった!」
という話を聞いた。
そのとき、私の記憶と母の言葉が繋がった。
私の辛かった記憶は、
母にとっては楽しい記憶だったのだ。
私は今日まで、
この辛かった記憶を心の奥に封印してきた。
本当は欲しかったもの
私が欲しかったのはただ一つ。
目が覚めたとき、そばにいてほしかった。
安心できる声とぬくもりが、
そこにあってほしかった。
しかし、母の愛が自分に向いていないことに気づくのは、まだ先のことだった。
あの夜の小さな私が感じた不安は、
いまの私に「安心の大切さ」を
教えてくれたのかもしれない。
それはもう、悲しい記憶ではなく、
私をやさしく導いてくれた
“はじまり”の記憶だ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
続きはこちら⬇️
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援よろしくお願いします!
いただいたチップは今後の活動に使わせていただきます!