【水戸黄門#2】うっかり八兵衛、茶屋に行きたすぎ問題
江戸の街道には茶屋がある。
旅人はそこで団子を食べ、茶を飲み、ひと息つく。
うっかり八兵衛。
この男はとにかく、茶屋に行きたがる。
だいたい、ご老公一行が冒頭のシーンで歩いていると、うまい具合に茶屋があり、
「ごいんきょ~、はらぁへりやしたね~、あ、あそこにいきましょうよ、ね、ね」と、こんな調子である。
なぜいつも、あんなに腹をすかせているのか。
夜8時40分ごろに始まるチャンバラのシーンでは、いつも戦わずに、ご老公様を守っているだけではないか。
なんなら、ご老公様の後ろに「ひぇ~」と隠れて、ご老公様が杖で「えい」としているではないか。
1番消費カロリーが少ない八兵衛が、なぜあんなに茶屋に行きたがるのか。
そこには、重要なからくりがある。
世直し旅では、世直しする原因がなければならない。そのきっかけとなるちょっとした事件が、たいてい茶屋の近くで起こる。
若い娘さんが与太者2、3人に、なにやらからまれている。そこで、団子をほうばっていない助さんと格さんが助けに入り、与太者を追い払う。
つまり、八兵衛が茶屋に行きたがるおかげで、一行はちょうどよく事件に出くわすのである。
みなさんは、「うっかり」というあだ名をつけられたら、どんな気持ちがするだろうか。
「うっかりやも」うーん。
かく言う私は、うっかりはそんなにない。
なぜか。
しっかりしているからである。
「しっかりやも」
また、いい意味で要領がいい。
「ちゃっかりやも」
たまに、できる感を出しすぎて周りを失望させることがある。
「がっかりやも」重そうに座るときに
「どっかりやも」
何の話しをしていたか。
そうだ、「うっかり」だ。
冷静に考えると、なかなか失礼ではないかと思う。
しかし、この「うっかり」もまた、世直しの一因を担っている。
八兵衛はよく「うっかり」ご老公様の素性を明かそうとする。隠密旅にもかかわらず。そこで、格さんに「こら、八!」とたしなめられる。すると、相談していた村人が「あなた方は、いったい……?」とご老公様の素性を疑う。
ご老公様「いやいや、ただのしがないちりめん問屋のご隠居ですよ。このじじいにまかせてくださらんかな」。
自分のことをじじいと言う人のことなど、信じるにたらないかもしれないが、この「もしかしたらやってくれるかも」感で、村人たちは、このじじいにおまかせするのである。
ひとえに、八兵衛の「うっかり」のおかげである。
水戸黄門は、八兵衛の「食いしん坊」と「うっかり」がなければ、ただの江戸の旅番組に終わってしまうのである。
次回は
『【水戸黄門♯3】助さん・格さんは、超優秀な部下ではあるが』
乞うご期待!!
👇前回の水戸黄門はこちら👇
