すとぷりのさとみくんが朗読劇に初挑戦!「Voice Cross」観劇レポート
2026年4月25日、声優の櫻井孝宏さん、岡本信彦さん、すとぷりのさとみくんが出演したオリジナル朗読劇「Voice Cross」が開催されました。
今や多くの声優さんが行っている「朗読劇」。今回、すとぷりのさとみくんとしては初挑戦。私はそんな彼の新たな魅力を楽しむべく、会場へ足を運びました。
公演公式サイトにはIntroductionとして
第一線で活躍する実力派声優陣が届ける本格朗読劇に幅広い世代から支持を集める新世代の表現者が参加
確かな表現力と新たな感性が重なり合うことで、朗読という舞台に、これまでにない魅力が生まれる
世代もジャンルも越えて“声”が交差する特別な時間を、、、
——声が出会う場所 「Voice Cross」
とありました。
さとみくんはちょい役でもゲストでもなく、全編にベテラン声優お2人と肩を並べての出演。今回はそんな舞台をさとみくんのリスナー目線でレポートしていきます。
会場の様子
私は14:00開場、15:00開演の昼の部を観劇しました。14:00ごろ会場の「ベルサール新宿グランド」に着くと、「特典付きプレミアムチケット」を持っている人の列ができていました。

特典は「プレミアムパンフレット」。公演で披露されるストーリーの紹介や、キャスト、スタッフのコメントなどが掲載されていました。

会場に入ると、広い会場に椅子がびっしりと並べられていました。正面には3人分の椅子、サイドテーブル、グランドピアノなどがセッティングされたステージがあり、ジャズっぽい曲が流れちょっと大人のオシャレな雰囲気を演出していました。

会議やイベントを行うようなだだっ広いスペースを縦長に使用しているため、後ろの席の人にも見えるよう、ステージ両サイドにはモニターが設置されていました。
私は客席の真ん中より少し前方よりくらいの列でしたが、ステージの真正面の位置だったので、ステージも会場もまんべんなく見ることができる席でした。
会場が暗転すると、まずはピアノ演奏者の方がスタンバイ。生演奏の調べに乗って開演です。
「宝くじの三人」
男子高校生のぴろちゃん(櫻井)、ぶっこ(岡本)、ちゃとみ(さとみ)の3人は、寮の部屋でゲームをして遊んでいた。ふとした会話から、1年前に3人でお金を出し合って買った「1等5億円」のスーパージャンボ宝くじの存在を思い出す。大捜索の末に宝くじを発見した3人は、スマホで当選番号を下位から順に照らし合わせていく。
まずは櫻井さんと岡本さんがステージに登場。ぴろちゃんとぶっこの気の置けない掛け合いが始まり、冒頭からトップスピードで物語の世界観に会場を引き込んでいます。
そして、後からちゃとみ役のさとみくんが台本を持って登場。マイクの前に立ち、2人の掛け合いに加わりました。
このお話はコメディタッチの展開で、登場したさとみくんも太極拳の決めポーズをしたりして会場の笑いを誘います。
さとみくんを見守りながらちょっと緊張気味だったお客さんもこれですっかりリラックスして、肩の力が抜けた感じがしました。
台詞の中には見ているリスナーがクスっとなるものもいくつかありました。アイドルにお金をつぎ込んでいるぴろちゃんに向かって、ちゃとみが「その顔でミーグリとか行くんすか?」「CD一枚で何分話せるんすか?」「じゃあ、めっちゃ買ったらめっちゃ話せるってこと?」とか言うのでいろいろと心当たりのあるリスナーはいっぱいいたはずです。
また、そんなちゃとみも実は2.5次元アイドルにハマっていて、そのグループの名前が「すとろべりーぷりんせす」。メンバーの名前が「もりなな、とうる、ろこん、いりぬ、るじぇ・・」そしてちゃとみの推しは「みとさちゃん」。ここはみんな声を出して笑っていました。
このお芝居の見どころは、高校生三人のとにかくテンポのいい掛け合い。しかも揚げ足とったり自己中心的な主張をしたり、ボケたり突っ込んだり言い争いをしたり本当に忙しい。
ベテラン2人の勢いに引けを取らない堂々としたさとみくんの熱演に「すごいすごい!」と思いながらさとみくんの演技に見入ってしまいました。
劇の合間のトークコーナー
今回は4つのストーリーのオムニバス朗読劇。そして、合間にはMCコーナーがありました。
1つ目の朗読劇を終え、改めて3人が挨拶。岡本さんがこの公演の主催者(主宰)として企画をされたとのことでした。
そもそもは2年ほど前、岡本さんがさとみくんと朗読劇をやってみようと誘ったのが始まりだったそうです。その時、さとみくんに共演したい人を聞いたら櫻井さんを希望していたので、オファーの末めでたく今回の公演が実現しました。
その話を受けてさとみくんが「櫻井さん、大好きなんですよ」と言うと「公開告白?」とびっくりする櫻井さん。実は、櫻井さんを好きだということを「本番の舞台上で言って」と岡本さんに言われていたさとみくん。
本番前に櫻井さんに会っても、自分の心の一番上にある「好き」を言い出せずずっと苦しかったと笑わせました。
そして、なぜそんなに櫻井さんが好きなのかという理由を「この場で櫻井さんの耳の中だけにそっとお伝えしたい」と、さとみくんは櫻井さんの元へ歩み寄り、マイクオフで耳打ちを始めました。
その時間は1分くらいあったでしょうか。突然の展開に戸惑う会場の様子を見て、すかさず「しばらくおまちくださいね、後ろの皆さん、私の声聞こえてますか?」などと場を繋ぐ岡本さん。
さとみくんの思いが伝わって、2人が握手をすると会場一同拍手。岡本さんもニコニコと2人を見つめていました。
「ひかるとゲン」
青年ひかる(櫻井)は、5年前に河川敷で愛犬のゴールデン・レトリバー「ゲン」(さとみ)を迷子にさせてしまった過去を持つ。サラリーマンとなった彼が思い出の河川敷を訪れると、ヒロト(岡本)という少年が連れた「ロッキー」(さとみ)に出会う。ロッキーはひかるの匂いや、昔教えた特別な合図に強く反応し、激しく飛びついてくる。ひかるはロッキーが愛犬のゲンであると確信するが、その犬が今の家族の悲しみを癒す、かけがえのない存在になっていることも知る。
物語冒頭、ゲンが迷子になって戻ってこなかったというエピソードからもう心が痛んで苦しくて、涙が止まりませんでした。
また、ゲン(ロッキー)の真っすぐにひかるを思う気持ちが、言葉の通じないひかるになかなか伝わらないもどかしさや、ひかるに懐いていくロッキーを見るヒロトの不安が切なくてたまりませんでした。
さとみくんは犬役ということで、犬の鳴き声「ワンワン!」を演じつつ、それがどういう意味なのかを言葉でも補う、というなかなか難しい演技を要求されていました。
鳴き声も元気よくワンワンしたり、叱られてクンクンしたり、いろんな感情の表現がありました。物語の最初の方は鳴き声の演技にくすっとする客席でしたが、だんだんとその演技に引き込まれていき、後半ではみんなさとみくんを犬だと思って見ていたと思います。
犬を挟んでひかるとヒロトのやり取りが厳しくなっていく局面に入っても、そんな人間の思いをよそに、久しぶりに会えたひかるに「遊ぼうよ!」と無邪気にワンワンするゲン。そのまっすぐな純粋さが、かえって物語で展開されているシビアな現実を浮かび上がらせ、さらに涙を誘いました。
終わった後のMCで、「台本をもらったとき絶望した」と言っていたさとみくんでしたが、本当に素晴らしかったです。櫻井さんにも「よかった」と褒めてもらって嬉しそうにしていました。
この物語の始まる前のMCで、さとみくんが櫻井さんのことをすごく好きだというエピソードが語られていたので、ひかる役の櫻井さんをキラキラした目で見つめるさとみワンコの表情にもグッとくるものがありました。さとみくんが感情表現の大きな大型犬というイメージも、個人的には解釈一致でした。
そして、そんな犬の気持ちを知る由もない人間2人のやりとりも、傍でワンワンするさとみくんの演技をいい意味でシャットアウトしているのがさすが過ぎました。
「思い出すまで」
交通事故で家族を失い、自らも重傷を負って記憶喪失となった高校生の保(岡本)。病室には腕を骨折した「兄(さとみ)」が毎日お見舞いに訪れ、不器用にリンゴを剥いてくれるなど献身的に世話をしてくれていた。しかし、会話の中で「兄」の様子に違和感を覚えた保は、ある日突然、すべての記憶を取り戻す。なぜ「兄」は保に対して嘘をつき続けていたのか。
見ている側も「これは何が起こっているのだろう?」と謎解きのような気持ちで展開を追うのが楽しいストーリーでした。
痛ましい交通事故からの時間経過、その事故の内容を知らせる新聞記事など、セッティングされたモニターを効果的に使用したり、保の記憶がフラッシュバックするのを表すように、登場人物をスポットライトで照らしたり、視覚的な効果によってよりドラマチックに演出されたお芝居でした。
さとみくんは、クラスメイトの心に寄り添って、優しい嘘をつき通そうとする高校生。それでもだんだんとその嘘のつじつまが合わなくなってしまう少年らしい不器用さを上手に表現していました。
そして、このお話しでは、事故にあって記憶をなくし、そこから本当のことを知った時のショックや絶望を表現した岡本さんの演技に引き込まれました。
また、高校生2人を優しく見守る医師を演じた櫻井さん。衣装は黒いはずなのになんだか白衣を着ているように見えてくるくらい、声から醸し出す雰囲気が医師そのものに映る自然な演技でした。
「がま口」
長年いがみ合う不仲な父(岡本)と祖父(櫻井)の板挟みになっていた20歳の亀太(さとみ)。ある日ホコリまみれの古い「がま口」を手にし亀太は、そのホコリでくしゃみをした瞬間、40年前の昭和時代へタイムスリップしてしまう!そこで出会った若き日の祖父と子供時代の父は、一緒にチェルシーを買いに自転車で出かけるなど、非常に仲の良い親子だった。なぜ二人は不仲になってしまったのか?そして、現代に戻った亀太を待ち受けていた突然の悲劇とは?
終始さとみくん演じる亀太の視点で物語が進みました。予期せぬ展開に翻弄されながらも必死に父と祖父の仲を思う亀太と一緒に、何度も時空を超える旅をして、ハラハラしたり慌てたり、ホッとしたり気持ちが揺さぶられました。
それだけさとみくんのお芝居が、完全に亀太としてそこにいるようで、終盤に行くにしたがってタイムスリップのためのくしゃみが出にくくなってきて、もう泣き出しそうになりながら必死に頑張るシーンでは、一緒に奥歯をかんで「がんばれ!」と言う思いで見つめてしまいました。
40年の時を行ったり来たりするため、祖父と父はそのたびに若返ったり年を取ったりするのですが、櫻井さんも岡本さんもその演技がものすごく自然。自由自在に役柄を使い分けるお2人の表現力に圧倒されました。
この物語は、昼公演と夜公演で違う結末が用意されていました。昼公演では、最後に現代に戻った亀太が祖父の本当の気持ちを知った父と一緒に、自転車に乗って出かけようとした祖父を追いかけました。
祖父は最初、自転車に乗って出かけた後転倒し亡くなっており、何度かのタイムスリップを経て、最終的にそれを阻止することができたのかどうか・・・という余韻を残した終わり方。
夜公演は観劇していませんが、会場で購入したレプリカ台本に夜公演用の結末が描かれていました。
それは、最後に父と祖父が一緒にゲームをしている現代にたどり着く、というものでした。父と祖父の仲互いが解消し、祖父も元気に生きている、というハッピーエンドでした。
最後の朗読劇が終了し、深々と頭を下げた3人。大きな拍手に包まれながらステージを後にしていきました。
全体を通じての感想
朗読劇をライブで見たのは初めての経験でした。途中のMCで「初めての人は?」と聞かれたとき、多くのお客さんも手を挙げていました。
正直、朗読劇って途中でちょっと眠くなってしまったり・・なんてこともあるのかな?とも思っていましたが、そんなことは全くなかったです。
それは、3人のお芝居に引き込まれたこと、脚本がとても面白かったこともありますが、オムニバス形式にして合間にトークを挟むという構成で、お客さんの集中力が持続するような工夫をしてくれたことも大きな要因だったと思います。
3人の朗読に合わせたピアノの生演奏も素敵で、大人の私にとっても落ち着いて見られる空間だったのもすごく心地よかったです。
オリジナル朗読劇「 #VoiceCross 」全公演終了🎙️
— KADOKAWAイベント【公式】 (@kadokawa_eve) April 25, 2026
ご来場いただいた皆様、そして応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。
笑いに包まれた『宝くじの三人』、涙が止まらなかった『ひかるとゲン』『思い出すまで』、そして未来へ繋がる『がま口』
「声が出会う場所」はいかがでしたか? pic.twitter.com/2EWNLzmQ92
主催の岡本さんは、合間のトーク部分では進行役をつとめ、初めて朗読劇を見る方にその魅力や、楽しんで見るコツなどもレクチャーしてくれました。また、楽しいトークから次の少しシリアスな朗読劇へ移る際も、その口調や振る舞いでしっかりと切り替えをしてくれて、見やすい雰囲気作りへのきめ細やかな気配りが感じられました。
一方、客席の多くはやはりさとみくんのリスナー。しかし、普段のライブやすとぷりのイベントに比べると、着ている服もスタイリングもシックな装いの人が多数でした。
さとみくんが登場したときも、物語の進行を妨げるような歓声を上げることもなく静かに見ていましたし、トーク中もライブの時のように手を振ったり声掛けをすることもなく、皆さんお行儀よくしていました。
事前に何かさとみくんからのアナウンスがあったわけでも、リスナー間で注意喚起などがあったわけでもないのに、こうしてちゃんと場に合わせたふるまいができるさとみリスナーさんは素敵だなと思いました。
演者側はお客さんに見やすいように、お客さんは演者の活動の妨げにならないように、というお互いを思う気持ちの理想的な姿がそこにあったと思います。
お芝居をするさとみくんを初めて生で見た感想
岡本さんや櫻井さんに比べたら格段にお芝居の経験が少ないさとみくんでしたが、出番やセリフの量も2人と同じボリュームだったのは驚きでした。きっとそれをやり切れると信じて託した岡本さんの、さとみくんへの信頼や期待が表れていたのかもしれません。
そして、そんな高いハードルを前に必死にベテランの2人に食らいついていったさとみくん。私はずっと舞台俳優さんとしてのさとみくんを見たいと思っていたので、イキイキと役になりきり表現する姿を、夢がかなったようなうっとりするような気持ちで見ていました。
しかも、見る前に抱いていた期待をはるかに超える表現力での熱演。声だけではなく、仕草や目線、姿勢で役に憑依する姿がありました。たくさんのセリフを一度も言いよどむことなく伝えきったり、時折見えていた手元の台本にたくさんのマーカーが引かれていたり、持ち前の集中力の高さでここまで完璧な準備をしてきたのでしょう。
さとみくんがインターネットの世界に来る前に「死ぬ気で取り組んでいた」というお芝居の世界で身に着けてきたことが、10年経った今ようやく披露されました。私はその瞬間に居合わせることができたことを、幸せに思います。
横浜アリーナでアーティスティックなライブを見せてくれたのとはまた違う、ずっと秘められてきたさとみくんの輝く姿がステージにあり、私はまた一層さとみくんのことが大好きになりました。
朗読劇を終えた後の配信で、さとみくんがこの日の感想や裏話を披露してくれました。別の記事にその内容を書き起こしています。
さとみくんがどんな気持ちで朗読劇に取り組んだのか、事前の準備のこと、本番中に対応したことなどたくさんお話ししてくれたので、こちらもぜひ読んでみてください。
ぜひまた、こうした舞台のお仕事も続けていただきたいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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