泣いて仕事をやめた夜から始まった、再出発のための小さな一歩。
※この話には、退職に至るまでの経緯を綴った「第1章」があります。
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「好きなことを仕事にできるなんて思ってなかった。でも人生は、時々、予想外の場所で再起する。」
一度終わったと思ったキャリア。こんな形で終わるなんて、思ってもみなかった。 新卒で入った会社に15年、会社のために、後輩のために、一生懸命働いてきた。でも、ある日突然、切り離された。社会から。繋がりから。
退職してからは、本当に人と話す機会が激減した。 家族、病院の先生、幼稚園や学校の先生…それと店員さんくらい。 それ以外は家の中にいる毎日。子どもの送り迎えをして、家事をして。それだけの日々。
最初はそれなりに良かった。 やったことのなかった料理を、四苦八苦しながら少しずつ覚えていって、「パパこれおいしー!」って言ってもらったとき――泣きそうなほど嬉しかった。 初めて、「生きる意味」みたいなものを感じられた気がした。
料理に向き合って、品数が増えて、慣れてきて、ママのお弁当も作るようになって。 仕事が出来なくなって、辞めることになって。出来ないことが増えた中で、「家族に喜んでもらえること」が、“価値”になるってことを知った。
今は、大げさかもしれないけど、パワハラを受けていた当時のことを思えば、 本当に「生きてて良かった」って言える。そう思えるようになった。
通院は今も続いている。 だけど、病院ってどうも…あの空気が、逆に気分を沈ませる。 診断名は「適応障害」。うつと似たような症状もあるみたいで、気持ちの浮き沈みはかなり激しい。 「治したい」「戻りたい」と思う気持ちはあるけど、仕事に就くってなると怖さが湧いてくる。 ハローワークに通っても、調べても、面接しようっていう直前で手が止まってしまう。怖い。
でも誰にも言えなかった。ママだけが知ってくれていた。
焦っていた。自分の中でずっと。 同じことの繰り返し、社会との隔離、減っていく貯金…数えたらキリがないほど、自分を追い込んでいた。
それでもママは、一度も責めなかった。 「大丈夫でしょ。貯金なくなったわけじゃないし、パパならなんでもできるよ」って。 ずっと“待つ”っていうスタンスでいてくれた。 一番どん底にいた姿を見て、「やっと休んでくれて良かった」って言ってくれた。 あれからずっと、そばにいてくれている。本当に感謝しかない。
改めて、自分の状況を整理してみた。
人と話すのがしんどい以上、無理して就職するのはやめた方がいいかもしれない
社会と隔離された生活が長かったから、いきなりフルタイムは厳しい
まずはバイトとか、短時間から
今の生活スタイルは崩したくない(“にーさん”のこともあるから。それはまたいつか「にーさん編」として)
そして――自分の“したいこと”が分からない
でも、それでも。初めて考えた。 人生で初めて、“自分のしたいこと”について本気で向き合った。
前の仕事は、運良く国家資格が取れて、運良く就職先が見つかっただけ。 だから「やりたいこと」で選んだわけではなかった。 辞めたいと思ったことは何度もあったけど、辞めなかった。というか、辞められなかった。 「したいことがないから」――それが理由だったと思う。
でも、いざ仕事を辞めて無職になって、振り返ってみると… 「してみたいけど、やらなかったこと」って、ひとつだけあった。
それが――投資。
やらなかった理由はたくさんあった。 リスク、ギャンブル、詐欺、金持ちのやること。イメージは最悪だった。 だから“気になる”と思っても、調べたりしなかった。
けど、今は時間がある。 「今なら始めるにはいいタイミングかもしれない」そう思って、まずは相場ってものを見るところから始めてみた。
そしたら、もう…まったくわからない(笑) チャート?ローソク足?移動平均線?専門用語だらけ。証券口座すら持っていなかった。
それでも口座を開いて、有名そうなのを買ってみた。 そしたら勝ってしまった。ビギナーズラック。 調子に乗った。次の日も勝てるだろうって思って買った。負けた。
初回の利益は全部飛んだ。資金もガツンと減った。 「調子乗るからだ…」って思ったけど、なぜか楽しかった。 「もっとできるようになりたい」「勉強しなきゃヤバい」そう思った。
そして、人生で初めて“自分から”勉強するようになった。
私のトレードスタイルは「デイトレード」。 中長期投資とは全然違う。そんなことすら、始めた時は知らなかった。
料理の空き時間、子どもの寝かしつけ時間に本を読み、マーカーを引き、ノートに書き出した。 相場が開いてる時間は“エアトレード”。買うタイミングや売る目安を仮想で考えてみる。
夜は家事が終わって、ママが寝てからの時間。 だいたい23時~2時くらいまで、トレードの振り返り、ニュースチェック、翌日の予習。 とても大変だけど、止められなかった。
家族との時間を削らずに、トレードに向き合いたかった。 旅行中、みんなが寝ている時間にもチャートを見ていた。 半年続けたら、少しずつ「なんとなく」動きが読めるようになってきた。
私は、頭が良いわけではない。覚えも悪い。度胸もない。 だから、相場に向いているとは思えない。
でも――「やりたい!出来るようになりたい!諦めたくない!」って思えたことは、人生で初めて。 だから、ここまで頑張れている。
結果として、パワハラはないのが一番良い。それは間違いない。 でも、あんな風に仕事ができなくなって、人生のどん底まで落ちて、周りも見えなくなったからこそ、 “思っていただけでチャレンジしなかったこと”に、本気で向き合うことができた。
とても辛かった。でも、あの経験も、自分にとっては必要だったのかもしれないって、今なら少し思える。
状況はまだ厳しい。でも――
諦めたくない。諦められない。 だからこそ、しつこいくらいに相場にしがみついていく。 自分は出来る。自分を信じたい。 私の挑戦は、まだまだ始まったばかり――。
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