FinePix X100からX-Pro1、X-T1へ|FUJIFILM Xシリーズの歴史を3つの入口で読む
FUJIFILM Xシリーズの歴史を調べると、発売年、センサー世代、処理エンジン、AF性能など、多くの情報が出てきます。
けれど、年表だけを追うと、なぜ今のXシリーズにこれほど違う形のカメラがあるのかが見えにくくなります。
X100シリーズ、X-Proシリーズ、X-Tシリーズ。
この三つは、単に外観が違うだけではありません。
写真をどう撮り始めるかについて、異なる入口を作りました。
FinePix X100|一本のレンズで歩く
初代FinePix X100は2011年に登場しました。
固定式の23mmF2レンズ、絞りリング、シャッタースピードダイヤル、そして光学と電子を切り替えられるハイブリッドビューファインダー。
レンズを交換せず、一台を持って歩くという撮影体験を提示しました。
35mm判換算で約35mm相当の画角は、広すぎず狭すぎず、街、人物、旅、日常を一つの距離で見続けることができます。
X100が作った入口は、『何を持っていくかを決める前に、まず歩く』というものでした。
現在のX100VIまで続くのは、単なる人気の形ではなく、一本の画角で世界を見るという考え方が、多くの撮影者に合っていたからだと思います。
X-Pro1|レンズで世界を広げる
2012年2月、Xシリーズ初のレンズ交換式カメラとしてX-Pro1が登場しました。
同時に18mm、35mm、60mmの三本の単焦点レンズが発表され、Xマウントの歴史が始まります。
X100のようなレンジファインダースタイルとハイブリッドビューファインダーを残しながら、レンズを交換できるようになりました。
一本の画角で歩く世界から、広角、標準、望遠、マクロへ広げる世界へ。
X-Pro1が作った入口は、『撮るものに合わせて、見る距離を選ぶ』というものでした。
ただし、交換レンズ式になっても、カメラの存在感を前へ出しすぎない形は保たれています。
画面外も意識しながら、被写体との距離を取る。その姿勢がX-Proシリーズへ続きます。
X-T1|正面から構え、撮影へ入る
2014年に登場したX-T1は、中央に大きなEVFを置いた一眼レフスタイルでした。
防塵・防滴・耐低温を意識したボディ、大きなファインダー、各種ダイヤルによって、Xシリーズをより幅広い撮影環境へ広げます。
風景、動体、長時間の撮影。カメラを正面へ構え、撮影へ集中する使い方です。
X-T1が作った入口は、『撮影の準備を整え、被写体へ正面から向かう』というものでした。
現在のX-T5まで続く中央EVFとダイヤル操作は、この姿勢を受け継いでいます。
三つの入口が、現在のXシリーズを作った
X100は、一本で歩く。
X-Pro1は、レンズで世界を広げる。
X-T1は、撮影へ備えて正面から構える。
この三つは、どれが進んでいるかという関係ではありません。
同じ写真でも、撮り始めるまでの気持ちと動作が違います。
現在のXシリーズには、動画やVlogを意識した機種、小型軽量を優先した機種、高速性や高画素を重視した機種も加わっています。
それでも、根にある問いは変わりません。
一本で歩きたいのか。
レンズで見方を変えたいのか。
撮影へ備えたいのか。
歴史は、機種選びの地図になる
古い機種を知ることは、懐かしむためだけではありません。
今ある機種が、なぜその形をしているのかを理解するためです。
X100VIの固定レンズ、X-Pro3のハイブリッドビューファインダー、X-T5の中央EVFとダイヤル。
それぞれには、初期の入口から続く考え方があります。
スペック表で迷ったときは、シリーズの始まりへ戻ってみてください。
自分は、一本で歩きたいのか。レンズで広げたいのか。正面から撮影へ入りたいのか。
その答えが、現在の一台を選ぶ手がかりになります。
あなたがFUJIFILM Xシリーズへ入った最初の機種は何でしたか。
そのカメラを選んだ理由も、コメントで聞かせてください。
## 追記|自分が入った入口から歴史を見る
Xシリーズの歴史は、最初の機種から順番に覚えなくても構いません。
自分が使っている機種から、どの入口につながっているかを逆にたどります。
X100系なら、固定レンズとハイブリッドビューファインダーが何を残してきたか。
X-EやX-Pro系なら、左側ファインダーと交換レンズによる距離感がどこから始まったか。
X-T系なら、中央EVF、ダイヤル、撮影環境への備えがどのように育ったか。
歴史を読む三つの質問
1. この形は、撮影前の何を減らしているか
2. この操作は、被写体へどんな向き合い方を求めるか
3. 後継機で残ったものと、消えたものは何か
機能が消えたから失敗、追加されたから進歩とは限りません。
ユーザーが変わり、撮影方法が広がる中で、優先順位が変わった結果でもあります。
歴史を知ると、古い機種が美化されるのではなく、現在の機種の選択理由が見えます。
自分がXシリーズへ入った一台を起点に、前の世代を一機種、後の世代を一機種だけ調べてみてください。
三台の間で残った操作や形が、自分がFUJIFILMに惹かれた理由かもしれません。
自分の機種を年表へ置く
記事を読んだ後は、自分の機種の発売年だけを調べ、X100・X-Pro1・X-T1の三点との間へ置いてみてください。
その機種がどの入口を受け継ぎ、どんな新しい利用者を加えたのかを考えます。
動画、小型化、手ぶれ補正、高画素など、追加された機能の背景には撮影習慣の変化があります。
歴史を自分の愛機へつなげると、ブランド知識が暗記ではなく、現在の撮り方を理解する地図になります。
このnoteでしか書かないこと
発売年と仕様だけでなく、各機種が撮影者へどんな構え方を提案したかを読みます。
歴史をブランド礼賛にせず、現在の機種がなぜその形をしているかを理解する材料にします。
古い機種の思い出と、確認できる史実を分けながら、今の一台を選ぶ地図として歴史を使う記事です。
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