織りなす色は空間の記憶と混じり合うように
今度は森の芸術祭の会場としての空間へ
赤レンガの倉庫の中の作品群は、色とりどりの糸が
織り込まれて、立体的に、また様々なパターンを持つ。
パオラ・ベザーナによって探求される織りの技術に
より、柔らかな糸は2次元的に3次元的に展開される。

赤レンガの壁を背景に浮遊するように

立体的な織物の作品が展開され

壁の質感は、その鮮やかさを浮き立たせ

アーチの開口部は額縁となり、作品の展示空間へといざなう

やわらかな光と影が混じり合う、赤レンガに包まれた空間で

織り込まれた糸は、厚みを持った布は

木材が生み出す3次元的な構造に絡み合うように

連続し、しんとした空間に動きをもたらす

過去には、広場で作品が展開された時の様子も

布の動きは空間全体に、ゆらぎと動きをもたらすように

作品には平面的なパターンが設けられるものもあり

譜面のように、色のパターンが指示されて

糸の連なりは様々なパターンに変換される

鮮やかな色、にじむような色、光を吸い込む色

色は折り重なりグラデーションのある色の世界を作る

緩やかに変化する色といえば、過去に西陣織をイメージした
土壁も糸や布の記憶が、建物の素材へと引き継がれて

1本の糸は寄り合い、重なり合い

やがて1つの作品を構成していく

線としての糸は、寄り集まることで面となり

その面が組み合わさることで

立体的な作品が紡ぎ出されていく

糸の集まりは折り重なり、緩やかに透過しながら


織り上げられて、形作られている

面と面を緩やかに交差させるように

パオラ・べザーナは、織物の技術をアートへと変換していく

会場に設けられた、もう一つの作品は

歴史のある空間の天井に、色鮮やかな光の玉をちりばめられた

作品で、空間に新たな記憶を重ねていく

ビーズに反射する光の映像作品を手掛けるのは志村信裕氏

空間に散りばめられる色とりどりの玉を
いつかの風景にもつなげながら

風景に織り込まれた色の記憶を
たどるように、色や形がつむぐ風景に思いはせ

旅先の風景から、日常の風景まで
あやをなし、渾然一体となるように。その記憶は

ふと鮮やかな色の連なりの
記憶を呼び起こすこともある

時を刻む建物と、空間を彩る二人の芸術家

建物に、空間を織りなす色の記憶が刻まれて
アートは空間を変質させ、あらたな記憶を織り込んで
森の芸術祭で出会った色と形の記憶
森の芸術祭でPORT ART&DESIGN TSUYAMAに設置
されていた二つの作品。レンガの壁、白の展示空間を
背景に様々な色の糸は、織り込まれては形をなして、
色とりどりのビーズの光の反射は、建物の装飾された
天井に散りばめられていた。作品はその空間に流れる
静かな記憶と折り重なり、森の芸術祭を彩るように。
