静かに過ぎゆく日々の向こうに
高見島で過ぎゆく時に
形あるものは姿を変えていく。石垣に沿うように
建つ民家の多くは空家となり、時間が沈み込んで
ゆく。時の流れを現在に戻すように緑を増す植物。
その作品は、ゆらめくガラスの奥に展開される。

勢いを盛んにするソテツ

葉先に浮かぶ時の流れと

ゆらめくガラスに映るかつての暮らしがあった場所

時が途切れた民家をつなぐ新たな時間の流れ

空間に角度をつけて並べられた作品に描かれるのは

いつかの生活の痕跡と、それら包み込む植物

時間が途絶えるモノに

緑が重ねる時の流れ

描かれる作品の中に、浮かび上がる過去の風景

鮮やかに並べられる過ぎ去った記憶

盃に刻まれるのは戦争の気配

ほのぼのとした犬の置物に当時を思い

踊り子草はそれらを慈しむように咲く

寄るほどに曖昧となる対象は

いつかの記憶にふれるものとなる

重なり混じり合うモノが伝える日々と

けして戻ることのない時間

そこに重ねられていく日常が

並べられることで、新たなつながりが生み出される

芸術祭で民家に流れる新たな時と

空間に視点を移ろわせながら、小屋裏に重ねられた

はかなくも鮮やかな色の帯は

反転し、空間は区切られ、動きを持つ

奥行きと角度によってズレが生じ

作品のイメージは移りゆく。時が沈む空間で

色彩が踊っては、宙に浮かぶ

民家に流れる時と空間と

過ぎ去った日々と現在の時間が

混じり合っては、作品となる
過日の同居と名付けられた作品は
時を重ねては新たな時間を生み出している
踊り子草。ハマウド。浦島草。描かれた島の草花。
割れた茶碗。懐かしいマッチ箱。犬の置物。暮らしを
伝えるモノが、植物と混じり合うように描かれる。
重ねられた過去と現在の時間。植物は過ぎ去る日々
を慈しむように、いつかの日常をそっと包み込む。
時が途切れるもの、流れ行くもの。かつて営まれた
生活。描かれる事物。過ぎゆく風景。いつかの記憶。
旅を重ねるほど、時と場所は接続され、新たな時間
が見出される。移動すること。視点を変えること。
過去にふれ、今を感じる。旅は接点を増やしてく。
