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島の土の記憶に触れながら

今でも目をつむれば、潮騒が聞こえてくるようで



旅をして旅を振り返る。石垣に沿って細い路地を
歩く。芸術祭の舞台となる高見島に散りばめられた
アートの数々。それらは石垣の隙間に、民家の中に、
木の枝の上に、道の途中にも出会うことができる。


街路を構成する石を伝い



街に流れる芸術祭の空気を感じる



街のいたる所に潜む小さな彫刻をたどり



青い幟を頼りに、街に目線を合わせれば



アゲハ蝶がひらりひらりと舞う先に



次なる作品が姿を表す



あらゆる生き物が寄り集まったような姿は



淺井裕介氏が手掛けるもので、かつての旅でも
 

みなぎる生命と影にはかなさを感じとる



空き家となった古民家の土間で大きな彫刻は



はかないもののバランスの上に立っている



生みだされたのか、また果てていくのか



彫刻がまとう飾りは、民家の形とつながるように



かつての暮らしの記憶を帯びる



小さな彫刻たちは、限られた空間の中で



限りのなく続く空の下で



誰かに語りかけるように



訪れる人を出迎えるように



その場所で、会いに来る人を待っている



時代は移り、島の風景は変わりゆくけれど



祝祭を重ねて、島には新たな命が生まれる



日常とつながる旅の風景の



狛犬に積もる時の奥行きや



アートが変える時間の流れ



小さな彫刻は、木々の上でゆったりと



島の時の流れに身をゆだねている



芸術祭に現れた星屑の子供たちは



島の行末をこっそりと見守り続ける


目の高さを旅に沿わせて 



小さな動物たちは島の記憶と一部となるように



穏やかな時間にくつろいで



鬼瓦の上からこちらを眺めたりと


島の土が形を帯びては出迎えてくれる


その命の輝きに引き寄せられて


ふと視界に入ってくる土の温かみを感じる彫刻。
それは島の土の記憶を伝えるもの。島の風景を
いたずらっぽく伝えてくれる星屑の子供たちの
島の記憶に誘われるように、石垣に沿いその先へ。


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