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手を伸ばしては手繰り寄せて

対象との距離を測る


近くて遠く、遠くて近いもの。触れては帯びた時間
を手繰り寄せ、触れられない対象に手を伸ばす。
世界のあらゆる情報は、すぐ手元にあるけれど、
日常に流れていく切実な状況に、持てない実感を
抱えながら、小さな旅に外から内へ、内から外へ。



石垣に宿る静かな時間を背景に



水面に動きを帯びる物体が



近づいては



遠ざかる


空間に並べられた物質に



触れられるほど近づいて



そのものが持つ意味の遠さに思いいたる



断片化された自由の女神が



世界のどこかに散りばめられる



その姿はイメージとかけ離れては



確かな質感を帯びている



打ち放しのコンクリートに打ち付けられた布地と



床に横たわる馬毛の塊。解体されるのは



権力の象徴としての閣議室の椅子



砂浜に打ち上げられたように並ぶ存在



マクナマラ。繰り返される歴史に



空間は静かに抗うようにして



そっと事実が並べられ



交わされた書簡に、人間の姿が浮かび上がる



目の前にある想像に難いもの


時代に翻弄された作者の紡ぐ物語に思いをはせる




鍵穴をのぞいては



視点は宇宙から注がれる



近きものから遠きものへ


視点はマクロからミクロへと



交互に行き来を繰り返し



ふわりと積み重なる質感に手を伸ばす



空気に形を与える色とりどりの風船に



触れては、ふわりとした重さに包まれる



内に外に、閉じては開く視界と感覚



自分の体積が押し出した



風船の間をすり抜けて



色とりどりの形に触れては



並べられたアートとの距離を縮める



平面に刻まれた二次元が


 
三次元へと変化して


空間を立体的に認識する


空間に並ぶ断片化されたもの。ものの持つ意味が
解体され配置される。対象との位置関係をずらし、
そのものが持つ意味にふれる。手が届きそうで
届かないものをつかみ、思いをはせるようにして。


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