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見えない境界をくぐるように

旅先にある日常と

日々の中の旅の気配。ぐるりと周りを見渡す程に、
境界をまたぐ入口が潜んでいる。穴へと飛び込む
ウサギを追いかけ、別世界への扉をくぐる。かつて
の実業家の邸宅は、アートの舞台へ姿を変える。



街の風景は層をなして



色とりどりに重なり合う



街とアートを取り込む建物は



かつて実業家が過ごした場所で


非日常への境界となる



扉の向こうに広がる世界への



入口は、アートをまとい光を放つ



複雑に絡みあう線を見上げ



開かれた扉の奥へと



トンネルを抜け境界をまたぐ



旅人を誘うのは



穴の中へと飛び込むウサギ



その後ろ姿に引かれるように



見えないものに視点を向け



ラビットホールという名の建物に


吸い込まれては、物語をつなぐ



黒い大理石と御影石に囲われた



トンネルのような階段を上る



スチールのメッキが光を帯びる



転じる素材の質感に



形を変える空間に揺り動かされるように



先へと続く線をたどる



旅は緩やかに弧を描技術



積み重なっては線を描く


旅の手掛かりとなる幾何学を



目で追いかけては、体を沿わせ



組み合わさる素材の質感にふれる



時折、登場するピクトサインに


演出される旅をする



一人でたたずみ、またペアを組み



空間の質をふと変化させる



コンクリートが露わとなった展示室には



建物が建てられた際の痕跡が残る



かつての空間は、大きく質を変え



過去の姿を今に表し



新たな視点が重ねられ



何でもない空間は、何ものにでもなるように



明け放たれた開口に映るのは



隣り合う美術館の石垣で


最大化された関係性となり



緩やかにつながる境界にふれる


トンネルの中を、導かれるように線をたどり、視点
は上昇してはまた降りる。光が伸びる黒い大理石。
メッキの鉄に留まる光。むき出しのコンクリート
に時間が止まる。素材は減じられて、空間に繊細な
空気が漂う。非日常の空気が揺れ動き、日常として
の石垣が現れる。外部に見える風景と、内部に展開
される空間が、旅人の境界の物差しを揺り動かす。


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