旅の線分に導かれて
旅を繰り返し、色や形を重ねては、
文章を綴り、風景を写真に留める。
旅の始まりから終わりへと、心に
残る景色をたどり、旅を振り返る。
島をめぐる旅をする
静かな海に描かれる航跡。波は生じて、やがては
消えて、また海は穏やかな表情へと戻る。波の上に
浮かぶ島々は部分であり全体でもある。島に流れる
物語に触れるよう、旅のかけらをつなぎ合わせる。

瀬戸内への旅は神戸から
①神戸から高松へ

夜を越えて高松の朝へ

船は高松東港へ到着し
②高松港

だんだんと夜は明け
③高松駅

流政之のアートがそびえる

海の側の高松駅から

西に浮かぶ瀬戸内の島々の下へと向かう
④丸亀駅

旅の線分に導かれるように
⑤ 本島へ

光がたゆたう海をゆく

丸亀港から船に乗り

芸術祭の舞台となる本島へ
⑥ Vertrek 「出航」 石井章

出迎えてくれるのは海の記憶をつなぐ船
⑦ 本島の日常へ

旅の中の日常をくぐり
⑧ 漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト 村尾かずこ

島にあふれる色をたどる
⑨ 塩飽勤番所跡1

連なり形を帯びる線上を
⑩ 塩飽勤番所跡2

流れる歴史にふれるように
⑪ 善根湯×版築プロジェクト

積層されるアートの下で
⑫ 無二の視点から 藤原史江

島が帯びるのは石の記憶
⑬ レボリューション/ワールドラインズ
アリシア・クヴァーデ

旅の記憶は円を描き
⑭Echoes as Air Flows 筧康明

ふわりと空に漂うように
⑮Moony Tunes ツェ・スーメイ

旅の補助線はゆるやかに
⑯FRITZ HANSEN EXHIBITION in HONJIMA 2025

包み込むような曲線となる
⑰ SETOUCHI STONE LAB 川島大幸

塩飽諸島の島々に重なる石にふれ
⑱ House of Shadows(影の家) エカテリーナ・ムロムツェワ

混じり合う光と影と
⑲ 水の下の空 アレクサンドル・ポノマリョフ

船がつなぐ記憶をめぐる
⑳ 本島の色の中で

旅に揺れる日常の色と
㉑ うみのえまつり コタケマン

形を伝う旅と日々
㉒ 咸臨の家 眞壁陸二

光と影が撹拌され
㉓ ディスパッチ ジャッガイ・シリブート

部分と全体が入り混じる

本島に散りばめられた空間を後にして
㉔ 高見島へ

島から島へと旅をつなぐ

本島で乗り継いだ船は

高見島の港へ向かう
㉕ エイリアンフード EAT&ART TARO

島の日常をすくうように
㉖ Stepping stones of memory 谷本真理

そっと置かれた視点をたどる
㉗ 子音と海 橋本雅也

アートは空間にゆらぎを与え
㉘ まなうらの景色 村田のぞみ

㉙ 土ヲ喰ム 淺井裕介

島が過ごした日々は
㉚ 過日の同居 藤野裕美子

今も静かにゆっくりと流れている
㉛ はなのいえ・こころのいろ2025 小枝繁昭

3年に一度の祝祭に、島は色を帯び
㉜ 高見島の風景へ

時を刻む色や形は
㉝ 鳥のための塔 中谷ミチコ + 大室佑介

散りばめられるアートと混ざり合いながら
㉞ Merry Gates 内田晴之

浮き立たせては、浮かびあがり
㉟ 時のふる家 中島伽耶子

使われなくなった空間は光を帯びる
㊱ われらをめぐる海 BankART1929 + PHスタジオ

見渡す限りの海に包まれながら
㊲ 高見島を後にして

島の温度にふれるように

時を重ねる石垣を伝う

島をめぐる旅の最後は

一日の祝祭の時間が閉じゆく粟島へ
㊳ 粟島

限りのある時間も
㊴ 帰り着く家 青野文昭

振り返ることで引き伸ばされる
㊵言葉としての洞窟壁画と、鯨が酸素に生まれ変わる物語
大小島真木、マユール・ワイェダ

ほんのひとときの島での時間も
㊶サキモリ 流政之

振り返るほどに鮮やかとなる

日々をすごす猫たちの間をぬけて
㊷粟島を後にして

旅の線分に導かれるように

塩飽諸島をめぐった一日

2日間の旅の始まりには
①MIMOCA 猪熊弦一郎

また丸亀の街にアートの視点を与える
②MIMOCA 谷口吉生

芸術家と建築家のまなざしが交差する場所へ
③ 丸亀の街

アートは視点に角度を与え
④ 丸亀城1

ものの細部に焦点をあてる
⑤ 丸亀城2

積み上げられた時間の中で
⑥ 丸亀城3

はかなさと強さにふれながらも
⑦MIMOCA 猪熊弦一郎

旅はリズムを刻み続ける
⑧MIMOCA 猪熊弦一郎 谷口吉生

アートは空間を取り込み
⑨MIMOCA 猪熊弦一郎

日常の視点を反転させる
⑩網膜 大竹伸朗

まなうらに映るのはいつかの光と
⑪網膜屋/記憶濾過小屋 大竹伸朗

あせては沈む記憶の欠片

街が帯びるアートの気配を感じながら
⑫丸亀を後にして

旅は終盤へと加速する

ペダルをまわし、風を切り

向かったのは宇多津の古街
⑬Capacity シガリット・ランダウ

街の記憶を帯びるアートをたどり
⑭時を紡ぐ 山本基

海をつたった旅を思い返す
⑮ ゼン・テー The Imperative Landscape

見えないものに目を凝らしては
⑯西光寺

心に響く音を聞く
⑰宇多津の古街

時の流れに沿うように

古街を舞台にした祝祭を後にして

新たな時を刻む宇多津の街へ
⑱人 小倉賢子

海を望む石の彫刻と
⑲色のない翼の彼方 西澤利高

空を取り込むアクリルの彫刻
⑳四国水族館

アートに旅の視点を広げては集められ

名残り惜しむように最後の街で
㉑坂出人工土地 大高正人

過去から現在、そして未来に目を向ける
㉒宇多津から高松へ

瀬戸内をめぐった旅もやがては終わる
㉓高松から神戸へ

浮かぶ補助線に沿って

旅は線を描いては閉じる
昨年に芸術祭へ旅をした。色と形をつなぎ、歩調を
旅に合わせる。対象は動きに合わせ位相をずらす。
視点は体の動きと同期して、風景に角度を与える。
祝祭のうねりを足裏に感じ、表裏に旅は動き出す。
芸術祭の旅を折り返し、島への道程は続いていく。
