目の前の空といつかの空と
目の前の空と、いつかの空を重ね合わせる
旅の記憶がゆらりと立ち上がり、現在と過去が入り
混じる。水平線に浮かぶ島々。途絶えては、連続する
雲のつながり。穏やかな海の表情の上に広がる空。
旅の風景は層を重ねては、色をなすようにして。

塩飽の島々の上に広がる空と
重ねた旅の洋上の空

雲はゆっくりと姿形を変えていく

目の前に広がる風景が

ぐわんと像を湾曲させる

ゆるやかな曲線を帯びるアクリルに

空は撹拌され、視点に合わせ像を変え
旅の手触りとともに、混じり合う

海を渡り、島をたどった旅で

祝祭の上で躍動する形に

風景は過去から現在へと混ざり合う

作品は島の風景を帯びては

渾然一体と取り込んでは
境界を失い溶け合うように

たどった海の記憶を揺らめかせる

映しこまれた空は

周囲の風景と重なりながら

いつかの空へとつながるように
アクリルの中の空と、目の前の空

境界は湾曲しあいまいとなる

絶えずして、同じとなることのない空を

旅に重ね合わせては

今ここにある空に思いを寄せる
うつろいゆく空に浮かぶ

宇多津の新たな風景を見上げる
アクリルに重なる空はゆらりと湾曲して、距離感
をあいまいにする。映り込む風景は、今の時の流れ
を変える。限りなく続く空と、いつかの旅の上の空。
風景を繰り返すほどに、空の色は深まっていく。
