丸亀城は困難を乗り越え、その先へ
丸亀城の天守から眺めに映る
石の産地でもある塩飽諸島。石は島から切り出され
石垣の一部となって今に至る。その400年もの歳月
の中で石垣にかかる力は、2018年の大雨によって
臨界点を超えて、重なる石垣は大きく姿を変えた。

4層に重ねられた丸亀城の石垣は

高さを合わせれば60mを越える

讃岐平野にそびえる平山の城

石垣は風景に曲線を描き

幾重に連なり今に至るも

その一部は2018年の大雨により崩れ落ちた

工事は進むも難航し、完成にはまだ多くの月日を残す

地面に並ぶ多くの巨大な石が、その困難さを物語る

工事現場に建てられたプレハブ小屋で

復旧整備の事業にふれる

崩落の状況はすさまじく

その高さや範囲からも難工事となることが伺える

そこでは、過去からのメッセージを受取り

今につなぐ、途方もない作業が繰り返される

整然と並ぶ石は、あまりに大きく

先人が重ねた技術を身を以て感じる

石の状態は一つ一つ見極められて

記された刻印は、過去の記憶を伝え

石の中央の車紋は生駒家のもの

一つ一つ切り出されては、この地に集まる

石に刻まれた矢穴の跡に
かつて人の知恵と力によって

巨大な石が、分割されては、運ばれて

積層する石垣の一部となっていることを知る

ずらりと並ぶ石を数えるように
過去から現代へのメッセージを読み解くように

積み重ねられる工事の状況にふれる
石垣の再生を願う人々の思いを乗せて

復旧工事は先へとつながれる

壮大な石垣の上にそびえる丸亀城は

今も丸亀の街を見守っている

丸亀城を後にして、街に散りばめられた

モチーフをたどる。四角の紋の形が

描かれた街の歩道をまた歩く
遥かなる時を超え、人間の叡智が重なり合う。崩落
し解体された石垣は、一つ一つ位置を特定しては
元に戻される。石に記された刻印は、過去と現在
をつなぐ印ともなる。大型クレーンの並ぶ風景に、
あらためて当時の石積の施工の壮大さに思い至る。
時を重ねた石垣の上に建つ丸亀城は、街と、海の
風景の上に浮かび、現代から未来へと進んでいく。
