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街を見守る天守の内側へ

石は丸亀城を支える部分となり

頂上に設置される天守へと向かう。ごつごつと
した石。それは無造作に、均等に、精緻に組み合
わされ、城郭の風景を織りなしている。大手門、
三の丸、二の丸と進んだ先の本丸、広がる平野
と瀬戸内海。そしてそれを見渡す天守へ向かう。



本丸に立ち上がる石垣は



入り隅と出隅を交互に配される



瀬戸内の気配をまとう石垣の上に



そびえるは三艘三階櫓の姿をした



木造天守。ぽつりぽつりと開く狭間と



個性のある色と形の石に



刻まれた矢穴をたどる



海を渡った石は、遥かなる時を越え



旅の行く先を指し示す



眼下を見下ろすと並べられた多数の石



本丸には海からの風が吹き抜ける



海に面して据えられたベンチから



昨日めぐった島が海に浮かぶ



曇天からの柔らかな光の下



天守は空を望むように建つ



松の葉は青々として



鮮やかに勢いを盛んにする



遥かなる時の積層の上で



天守は石垣を一体となるように建つ



屋根は空への補助線に沿って



控えては層を重ねる



唐破風の懸魚には魔除けの猪目



天守の北面には連子窓と石落とし



軒裏の漆喰は風に浮き立つ波のように



天守は瀬戸内海の風の中に今も建つ



開館にあわせ、一番乗りで城内へ



狭間の三角でつながる内と外



太鼓壁の漆喰に滲む時の流れに沿って



林立する一層目の柱の間を抜けて



ひと回り壁を控えた二層目へと上がる



柱と梁はずれてはつながり



入り組んでは空間をなす



柱が通されることなく空間が構成され



急勾配の階段で、迫り上がる三層目へ



空間は流動するように、上部へつながり



小屋組みが屋根を支えるように



時を越えて残された木造天守から



望む海。ここに流れたかつての時間を


海とつながる天守に思う



そして、丸亀城は新たな歴史の跡を刻む


千鳥破風に唐破風。連子窓に格子窓。梅鉢懸魚に
猪目懸魚。装飾がなされる城の随所に目を留める。
静かに熱を帯びる丸亀城は、日本に残る十二天守の
中で一番小さな天守でも、もっとも高い石垣と一体
となる城郭。格子の外に広がる街と、海を見渡す
天守から歴史の跡へと想いをめぐらす旅を続ける。



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