日々はめぐり、旅は回転するように
島の風土を感じる旅が思考の軌道を変えていく。
ちりばめられたアートには、島につながる質感が
ある。ざらりと乾いた土の粒子。褪せた色が示す
ゆるかな時間の流れ。円の形に塗り込められた大小
の色の重なりに、旅の景色をめぐりたどるように。

島をめぐる

島の質感にふれる

ざらりとした壁面に、線が踊り

色が舞い、形は円を描く

境界を分かつ曲線は

ぐるりと展開しながら円を囲う

ざらざらとした表面は

大地の声を放つように凹凸を持ち

その緩やかな曲線に沿うほどに

色彩を帯びる土地の力に触れる

剥がれゆく土のかけらは

見るものの思考を時の流れへと誘う

体育館の空間を占めるように設らえられた作品は

とてつもない大きさで色や形を展開する

それらは全体の一部のごとく、途方もないパズルのように

見るものの視点を拡張する

それは砂浜に広げられた布の上に描かれた

うみのえまつりという作品で、島の記憶を帯びるもの

つながる曲線。赤い円。幾重にも弧を描く線は

ぐるぐると記憶の底へとつながるように

めぐる日々、回転する旅
日常と非日常は入れ替わり

渦巻きめぐる旅は
見えないものを浮かび上がらせて

繰り返す旅の形は
記憶の底で渦巻いている

なだらかな動線に沿うように
ぐるりぐるりと歩いては

旅の形に吸い寄せられるようにして
その道のりは円を描く

回転運動に視点は加速し
遠心力を得ることで景色は広がる

風景をつなぐアートをたどり
円を描く軌跡は2025年を象徴するもので

瀬戸内海をめぐる旅とつながる
大阪で大きな円を描いた祝祭の記憶
めぐる旅と回転する日々の中で
ぐるぐる回る。転じる。渦まく形に引き寄せられる。
立ちはだかる大きな壁は島の空気をまとっている。
砂浜に描かれた絵の湿度。乾いた泥がはがれゆく。
動きのある線。ゆらぎ、重なり。視点は土の一粒に、
引いては空間を占める色と形の連なりへと転じる。
円の軌跡に旅を重ねる。日々を歩くほどに、影が形
を変えるように、物の意味はずれては重なる。常
に対象との位置関係は入れ替わり、人生はめぐる。
弧を描き、まわり回って元の場所に戻る時に、その
位相は少しずれている。2025年をめぐる旅は螺旋
の軌道に沿うように、日々とつながりあうように。
