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アートはつながるように、円を描くように

風景を歩き、そこに散りばめられたアートをたどり

旅を続けてきた。今回の旅は2025年の万博。1970年の
万博から55年の時を経て開催されている。太陽の塔は
今も大阪の地に立ち続け、当時は未来であった今を見
守り続けている。そしてアートは形を変えながら今へ。



会場に入って最初に出迎えてくれるアートは



Snow-Deer。降り積もる雪をまとう姿が、新緑に浮かぶ



その流れるような、継ぎ目のない体表は



日常でふれたアートの質感を思い起こさせて


アートはつながるように、記憶は円環するように




万博での鹿との出会いに幸運を感じ、いつかの  


鹿との出会いが重なり、きっと今に至る




この旅は、万博の会場に連なる景色を一目見るのが目的で



ひとまずは建ち並ぶ建物のデザインなどをたどっていく


住友館を手掛けるのは、かつて住友財閥の設計部門
であった日建設計。その会社は125年もの歴史を持つ



その表面はフラットな構造用合板が、緩やかに



無理のない範囲でねじられながら連続し


全体は、住友のルーツのある四国の別子の嶺を表す。
使われる杉が植樹されたのは55年前であるともいう。




その双曲放物線面を描く建物の隣には、様々な多面体による



ボロノイ構造。平面は緩やかに角度を変えながら連続し



タマゴ型のかたちを作り出す。角度を変えた平面は


天候や時間帯によって様々な表情を見せるという



電力館のモチーフとなる銀色のタマゴの形のオブジェは


未来へとつながる街の中にもひっそりと




様々な形が連なる万博の風景に圧倒されながら



大きなリングを目指して進む。その足元には小さな回転の



軌跡を描くアート。緩やかに弧を描く形は



空へと向かって上昇するように



また足元では収束するようにつながる



角度を変えるほどに、いかようにも見える形は



確かさと不確かさを内在する。そのサイクロイドという作品を


手掛けた森万里子さん。永遠の回転がイメージされた



作品はゆふいんの美術館でも、雄大な自然の前に立ち


自然とアートを感じる旅を重ねている




そして見上げれば、木造の架構によるゆるやかな曲線



それは全周2kmという途方もない大きさのリングの一部



リングをくぐり抜けると、その先にも曲面の前に設けられた



金色に輝く円環のフォルム。ジョセフ・ウォルシュによる


ブロンズから木へ、そして金箔へとつながる形と素材



そして金色の円環のオブジェといえば、その名も環という


岡山県庁の中庭で、時をつなぐような作品を思い出す。



アートはつながり、建物も円を描くように



エスカレーターから見える風景も、緩やかな弧を描き



その大きな円が作り出す風景を感じつつ
  

建物というよりは、土木的なスケールに圧倒されつつ


大屋根リングを間近で感じる


それは今まで出会った構造物の中でもっとも大きい


円を描く旅の舞台となる


旅を続ける程に、重なっていく記憶と風景。それらは円
を描くように、幾重にも形を変えながら立ち現れる。
その間をくぐるように、その形に沿うように、眺めては
入り込んで、また離れ、そして触れるように旅をして。


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