建物もアートも街に変化をもたらして
いつかの旅。いつかの風景を、サインやオブジェに
重ねながら実際の旅と、記憶の中の旅を楽しんでいる。
旅を感じて、振り返り、旅を作る。今の時間の流れと、
大きな時間の流れ。人生で出会ったものが、その場だけ
ではなく、ふいにあらわれては風景の見え方を変えて。

梅田の街の先に、高くそびえるやわらかなシルエットの建物

足元の抑えられた色彩の中に、金色に輝くフレームは

フォーシーズンズホテル大阪のエントランス

ホテルのロゴはその名の通り四季を表している。そして、ふと

いつかの旅で見かけたデザインが心によみがえり

奥に続く空間に目を奪われた記憶を懐かしむ。ロゴは過ぎゆく

季節を表し、芽吹く春、葉が茂る夏、秋に落葉し、冬は枝のみに

ホテルのエントランスが金色なら、パブリックアートは銀色に

風景を取り込む鏡面の球体が連続するアートを
手掛ける芸術家はハートの作品でも知られている

いつかこの日常に建つホテルにも、理由を作って訪れようと

今は、その豊かな緑の向こうに続く

魅力的な空間を眺めるだけにして

アートのようにそびえる建物を見上げ

以前に通りがかった日のことを思い出しながら
風景の記憶を重ねていく

端部で劇的にシルエットを変える建物の足元には

その緩やかなラインと呼応するような白の曲線

異なる面ではピクセル状に構成されるアートは

周囲になじみながらも風景にインパクトを与えている

それは何気ない女性の様子をモチーフとした作品で

ピクセル状から流線型へとなだらかに変化する質感は
連続する日常に、ゆるやかな違和感を帯びさせる

手掛けるのは名和晃平氏で、日本各地に設置された作品を
たどるのも旅の楽しみの一つで

梅田のコンラッドホテルのロビーの巨大な作品へも
かつてランチと合わせて訪れた
また人形の作品では、ピクセルシリーズの
北九州のロボット村に設置される作品が印象的で


日常の風景に、非日常の光景が重なる。新たな建物は、
街に変化をもたらし、アートは感覚に訴えかけてくる。
日常の場面を切り取って、異質さを持ちながらも風景
に溶け込むような、街角のアートにふれつつその先へ。
