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旅をするほどに記憶は入り混じるように

旅が終われば、また次の旅へ。そして旅するほどに


記憶は入り混じるようにして。旅で出会った風景や、
建物や彫刻の記憶が日常の中にも現れる。それは今、
見ているものなのか、記憶の中の風景なのか。同じ風景
の記憶を重ねていくことで、さらに風景は層をなして。


旅が終われば、また旅へ。といっても日常の延長で



見慣れた梅田の風景を角度を変えながら



日常を運ぶバスは梅田を走り抜け、風景や建物と交差する



奥にそびえる建物はKITTE。その建物は過去から

未来へと記憶を運び、人やモノや文化をつないだ場所


路面のショーウィンドウには粒状の輝きが連なるような



タペストリー。それはきっとMIKIMOTOのパールのイメージ



MIKIMOTOといえば銀座にて、空へと



輝きが散りばめられていくようなイメージの建物も 


アイコニックな建物は、記憶の端々にあらわれて



KITTEの足元で階段を見上げ



風景を構成する建物も見上げる



建物が切り取る空は図形のように



空を背景とする建物はオブジェのように



建物はそれぞれに個性を誇るように林立し



私の記憶の中に広がっていく



足元には花々が並べられ


それは建物の空間を彩るように



建物自体も花の鮮やかさを表すように華やいで



ルイ・ヴィトンのショーウインドウには鳥の姿


そういえば御堂筋のルイ・ヴィトンにはフラミンゴも



その建物は、さざなみを模したデザインで



九州のルイ・ヴィトンのファサードにつながって



物語が刻まれた外壁へと記憶をつなぐ


全体から部分へ、建物への視点も旅とともに広がって



街は、建物は、様々な角度で現れて



それらの様子を確かめるように、大通りから



また裏道から、大阪駅前第一ビルの姿に


建物が言葉を伴っていることを確認して



でも少しずつ姿を変えていく風景の、今の中を歩きながら


過去から未来とつなげられる物語を感じていく



街を歩くということは、視点を建物になぞらせるということ



見上げるほどに、見慣れた風景も姿を変え



窓の形や、鉄やタイルの仕上げの取り合い



奥に導く階段と煉瓦の雰囲気に


レンガと階段の記憶が呼び起こされる



またコンクリートのはつり仕上げの手触りは



九州の旅と生活につながる美術館の感触とつながり


建物が愛され続けていることもうれしく思う



街に出ることで、きっと確かなものを感じられると



ビルの内部に広がる圧倒的な雲の彫刻に


空のイメージをつないでいく


その彫刻は小田信夫により手掛けられ


万博記念公園でも氏の作品と出会い 



また手塚山大学のキャンパスの壁面に飛ぶ


鳥の彫刻も氏によって空へと放たれたもの 



街を歩くほど、目にするものは



少しずつ形を変えながら、どこかつながっていて



記憶に接続するような風景や、建物を



眺めながら街の先へ


梅田の街を歩く。これは日常の延長で、旅とはいえない
かもしれないが、その風景を見る視点は旅そのもので、
この日常に近い風景の中にも、旅の楽しさが広がって
いる。街を歩くほどに、建物は様々な角度であらわれて
は記憶を揺らし、彫刻との新たな出会いも続けながら。


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