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旅は寄せては返す波のように

繰り返す波は、海への旅を幾度も描く


島から島への航跡に思いを重ねる。船が立てる
波が浮かんでは消えていく。島は重なりをずらし、
近くから遠くへ、瀬戸内海の塩飽諸島をめぐる旅。
本島の風景を後にして一路、西へと進路を取る。



大漁旗の旗の向こうに続く島並みを



縫うように本島へとやってきた



船は見えない線で、島をつなぎ



一人一人の物語を運ぶ



小さな船が航跡を残しては、小さくなる港の影



重なる波に島の入り口を守る白い灯台は


島の旅では幾度も立ち上がる



繰り返す旅の風景と寄せては返す波の跡



砂浜に揺れるピンクのオーガンジー



体に響くエンジン音。波は現れては消えていく



水平線に浮かぶ白い雲と青い船


海の記憶をまとう船の姿が旅で重なる



太陽の光を浴びて輝く雲

 


海に見え隠れする白波と



体に伝わる水面の凹凸


繋がれる島の風景を体に接続するように



だんだんと島の影は水平線になじみ


島と島をつなぐ航路が描く旅の軌跡



雲は空に層をなし



広がってはぽつりぽつりと浮かぶ



光は飛沫を煌めかせ



海に輝きが連なっていく


風景に重なる光の靄は



水面にたゆたい、踊るようにして


やがては海に溶けていく。移り変わる景色を経て



次なる島へと旅をつなぐ



左舷に白い灯台を見上げつつ


海の風景を繰り返し



寄せては返す波のように


瀬戸内海の秋を旅した


船の航跡に旅の景色がふわりと浮かび、見えない
航路で結ばれた島々が物語を紡いでいく。風を体
で感じながら、浮かんでは消えさる波と、過ぎ行く
島影に視線は往復する。雲は流れ、水面には飛沫
が踊る。多島海を船でめぐる風景が描く旅の形へ。


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