本島に流れる歴史をつたって
流れる歴史をつたうようにして
塩飽諸島に位置する本島に建つ建物を訪れた。江戸
時代に建てられた塩飽勤番所は、今は資料館として
公開されている。長屋門を覗いたその先に、流れる歴史の記憶へと引き寄せられるように旅を重ねる。

漆喰の扉に落ちる影。その向こうに

残されていた戦国時代の英傑からの朱印状は


本島からは海を越え、大阪城へも石が運ばれた

人名という自治する権利を与えられた本島は

瀬戸内海に輝きを放っていた

巧みに操る船の技術は

海をつなぎ、時代をつなぐ

塩飽諸島の水夫たちは大海を渡る船に乗り込み
時代を超える航海をした

咸臨丸は日本で初めて太平洋を渡った船

鮮やかな朱色の船は、荒波を越え

西から東へ、また西へと海を渡り

歴史が動く旅を刻んだ

残された日記には、航海の困難さが記される

人と歴史は交差して、動いては止まり

過去から未来へと物語が連続する

建物に残された竈門に、生活の気配を感じ

鉄砲風呂に時代を感じる

鉄製の筒の円が描く過去の風景は

四半の壁と響きあう

過去から現在へ、また未来へと歩みを進め

島と旅を紡いでいく

瀬戸内海に浮かぶ本島の豊かな文化にふれ

リズムを刻む建築の細部をたどり

その地を治めた建物にふれるひととき

本島で磨かれた技術は、島の寺院へと広がって

そこには多くの仏像が祀られる
時代を見守る仏像に会う旅を
続けては、歴史を感じ、過去と現在の間を進む

仏像が纏う遥かな時を

建物が伝える時代の熱量を

たどる旅は、今を照らすものとなる

流れる歴史を留める建物と出会い

時代の奥行きを感じながら

また流れる歴史に沿う旅を続ける
船を巧みに操る、塩飽諸島の水夫たちは
未来を見据える船に乗り、太平洋を渡ったのは万延
元年のこと。それから時は過ぎ、150年以上もの
時が刻まれる。本島の人々は、時代とともに船乗り
から大工へ技術をつなぎ、巧みな建物を生み出し、
その記憶はアートの風景へとつながる。旅する程に
歴史と記憶は織り重なり、旅の風景を紡いでいく。
