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船がつないだ海の記憶

瀬戸内海へと旅をした

船を乗り継ぎ、本島へと渡り、島のアートめぐる。
島の風景は海と混じり合い、船に記憶が紡がれる。
3年に1度開かれる芸術祭という祝祭の気配に、潮
の香りに誘われて、路地の先の光が踊る海へ出る。



海の景色とともにある島への旅では



潮の香りに引き寄せられる



ひそかに語りかけてくる形をつたい



海の物語が漂う街並みで


本島に流れる咸臨丸の軌跡にふれる



路地の先に視線を移すと



穏やかな潮騒が近づいてくる



広がる空の下、塩飽の島々の連なりと



寄せては返す波のリズム



かつてこの地で行き交った船の航跡の影を



たどるように、海の風景を重ねていく


波の音、紺碧の広がり、光の移ろい



凪いだ海で繰り返されるさざ波の音が


遠い記憶へと思いをつなぐ



島から島へと旅を重ねるほどに


景色はつながり響き合う



陸に並ぶ三艘の船は


島と海の物語をつなぎあわせる



海の暮らしを支えた船は


姿形を変えながら、今の時代も海を渡り



その舳先が、島の歴史を切り開いていくように



時代を変える原動力ともなった



移りゆく海の風景に、大きな歴史の流れを感じ



船の形を象られた作品は、海と島の記憶を紡ぐものとなる



繰り返す波と、積み重なる時



時代は円を描くように、進んでは戻るようにして



変化を重ね、風景は変わりゆく



塩飽の民が駆けた海の風景に



荒波を乗り越えて開いた歴史を


水の下の空と名付けられた作品に重ねる



海に映る空。船が重ねた記憶


かつて越後の地でも出会った作家の感性に


旅の風景をつなぎあわせる



遥かなる海と空の下で


塩飽の民は瀬戸内海を庭のようにして船を操った。
本島から各地へと、船で運ばれた巨大な石。歴史
に刻まれる咸臨丸で異国の地へ渡った人々。大海原
を進み、困難を乗り越えた歴史。島に並んだ船の
アートは、舳先を過去から未来へと向けるように。


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