円を描くようにめぐる旅
瀬戸内海の島をたどり
円を描くようにめぐる旅。どんよりとした空の下、
限りのある時間を拡張するように、旅は二日目に
して、また丸亀駅の広場に立つ。そして光に浮かぶ
長方形のシルエットのもとへ再び視点を繰り返す。

まだ街が動き出す前に

旅の一日に先手を置く

瀬戸内海をめぐる旅の拠点とした丸亀で

旅の形に導かれるように

駅前を象徴的なものとする彫刻のもとへと

またやってきた。幾筋もの赤い線は
空を求めるような造形で

リズムを変えて立ち上がる
旅先のアートに揺さぶられるように

目線を上下させては、大きな光の筋のような

形にもまた触れる

光の帯は点を結ぶように、折れ曲がり

ジグザグと角度をずらしては

不規則なリズムを刻む

空間を囲う星座という名の作品は

街と人との関係を持つ

形はもつれて、結ばれて

ほどけては、動的となる

光の帯にふれるように、目の高さを動かされるように

時に振られた角度はまっすぐに

彫刻の配置に合わせて、目線を移ろわせながら

街と彫刻と建物との関係の中を歩く

丸亀駅前の動的な空間に

振り回されるように、遠心力を感じながら

円を描く彫刻に吸い込まれそうになる
海と島をめぐる円を描くような旅で

形は円から線状へ、動きを転じて

描かれる円は強く回転するように
記憶を螺旋状につなげていく

生き生きとした形は空間で

一人の芸術家の螺旋にうずまく思いを
過去から今へと伝えるものとなる
空間に浮かぶ立体。形は結び、ほつれて、つながる。
異なる造形が絡まりあう。彫刻は生命体のように、
静けさに動きをもたらす。固定された物体。周囲を
めぐる身体。視点は回転し、体は空間に反応する。
静かな朝の彫刻との時間に、旅の一日は動きだす。
