静かな街の間を抜けて
朝の静かな時間に、建物が放つ密かなエネルギーを感じながら、旅の1日が始まる。まだ開館前の
美術館は後にして丸亀の街を歩く。旅先に流れる
日常を、自らの日々に重ね合わせるようにして。

島の造形をめぐり、街の形にふれる旅

形状は囲みと発散を繰り返し

連続してはつながり合う

見え隠れする風景の中で

形の声に耳をすませる

平面と曲面

凹凸は質感にリズムを与える

囲んでは取り込まれる形は

布石を置くように点々と

雁行しては連続する

色を帯びる街を走るバス

色は連なり、形はゆがみ

街の個性を積み重ねる

囲まれ方は転じながら

連なるリズムを数えるように

折れ曲がりと反復と

○△□
形は街の速度を変えて

その組み合わせに足が止まる

隅掛けられた手すりに見る形の作法

螺旋の階段は空へと伸びて
記憶は円を描くように

少しずつずれては重なっていく

街のリズムを感じるように

色彩がゆるやかに繰り返す

朝の静かなひとときを

覚ますような形に足も軽やかとなる

新陳代謝を繰り返す街の

長い時間と短い時間

象徴となる彫刻は

静かに街を見守っている

緑の連続をたどるように

円のつながりを結んでいく

放射状に寄り集まる
円環の中に連続性を見出すように

見え隠れする風景を縫う

空に浮かぶ彫刻は

かつて飛行機の父と呼ばれた二宮忠八の

未来への思いを乗せるもの

生み出されるものあれば失われるものもある

街は静かに動的に、日々を繰り返し

散りばめられた形に織りなされる

流れる時間の長さを

対比しながら街を想う
形は時間の経過を帯びる。そこに刻まれた思考の
跡。渦巻く街は、重なり合いながら個性をまとう。
旅とは街の日常に触れること。街は消滅と生成を
繰り返しては姿を変える。時の長さの異なる建物
は、それぞれに歴史のひとときを担う。旅はその
瞬間を切り取るもの。部分を知り、計り知ること
のできない全体を思い、静かな街の間を抜けて。
