瀬戸内海への旅を重ねて
時代の波に揺れる建物の間を抜け
瀬戸内海を巡る旅は、電車に揺られて東から西へ、
また東へと旅路を重ね、瀬戸内海の島々をめぐった
二日間の旅も閉じてゆく。祝祭の気配の中のほんの
ひとときを振り返っては触れるように掬い上げる。

西へと向かった旅も、終わりは東へ

街から街の空気にふれては

いつものように自転車を折りたたみ

電車に揺られ帰路に着く
限られた旅の時間を振り返っては

過ぎゆく景色と、足に伝わる振動と

日常から離れた時間を繰り返す

旅は往路から復路へと

映る風景は姿を変え

駅から駅への旅路を伝う
アートの間をぬうように

視点を転じれば

風景は動き出すかのごとく

迫っては層をなしていく
街を動的なものへと変える

散りばめられた様々な色の集まりや

旅を導く形を拾い集める

アートがひしめく小豆島へも
色と形に導かれて旅をして

ものの境界を曖昧にするアートは

幾度も視点に角度を与え

その間にあるものを意識させる

限られた時に立つ青い幟を
風景の中に見つけては

次なる旅の思いを胸に

引いては寄せる波のように
港の風景をつないでゆく

停泊する船に、島への航路を思い描く

旅するほどに船の記憶は波に揺れ
島への思いが色を帯びる

旅を照らす欠片が

折り重なっては旅を立ち上げ

いつか見た風景の先に

まだ見ぬ風景を思い描く

刻々と移り変わるもの

静かに時に留まるもの

その境界に沿うように、眺めるように

旅を重ねる。だんだんと遠ざかる

時間の流れに身を委ねるように
島への旅を繰り返すほどに、水平線は重なり合う。
青い幟に誘われて、まだ見ぬ風景へと足を運び、
芸術祭への旅をつむぐ。流れゆく雲。連なる島影。
船は遠ざかり、島から島へと物語をつないでいく。
