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風景の片隅に視点を重ねて

留まっては散りゆくような光の中を進み

二日間の旅も終わりへと向かう。港から船に乗り
継ぎめぐる風景に広がる空と海。光はその中で、
対象を輝かせては、影を与える。光に包まれる
風景もあれば、影に深く覆われた風景もある。



海を渡り、また高松港へと戻ってきた



終わりへと向かう旅。風景の中を進むほどに



視点は、絶えずして動きのあるものに惹かれていく



光は波のように、コンテナを包むステンレスに反射し



そのたわみに、周囲の風景は実体を失う



たゆたう波のような形を帯びる光



映り込む大きく揺らいだ風景に、旅の時間軸は浮遊する



海を眺め、渡っては、また眺める



海につながる銀のコンテナは芸術祭の作品でもあり



内部に散りばめられた、住む場所を失う人々の物語



想像を超えるほどのその数の中の



それぞれの人々に生活があり、かけがえのないものがある



流動的な世界に流されざるえない人々の



一つ一つの物語にふれ、また世界を見る



昨日通りがかった揺らめく銀盤の中には



日常とかけ離れた世界が広がっていた



その現実は世界の一部であり、目の前に広がる風景も



またその一つ。昨日の夕刻、太陽が傾き始める頃



歩いた光に包まれていた風景


今見ている風景は、世界の中のほんの一部で


その作品は、世界の現実を教えてくれる

私にできることは、旅を続け、視点を重ねること


一人一人に与えられた運命。世の中は流れ、刻一刻
と時代は移る。切実な現実の中で生きる人たち。
時代や状況が変われば、その現実はきっと私の目
の前にもある。私にできることといえば、目の前
の風景を見つめ重ねていくこと。大きなうねりに
流されそうになっても、足元のささやかなものに
目をこらす。私にとって、この世界を生きることは、
風景の片隅に視点を重ね続けることに他ならない。


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