はかないものをつむぐように
旅を続けている
時代を超え、場所を超えて、つむがれる祈り。砂浜
には子供たちの像が並ぶ。それらは目を閉じ、大切
な何かに手を合わせ、様々な方へ向く。それは世界
各地で困難に巻き込まれる子供たちへの祈りの形。

港に作られた砂浜に立ち並ぶ

子どもたちの像は異なる方角を向き

安らかな表情をまとう

それらは目を閉じ、どこか遠くを

祈るように胸に手を合わせる

背中には方角。胸の数字は、その場所までの距離を示す

世界で困難に巻き込まれる子どもたちへの祈り

その数の多さが示す困難な世界の今へ

豊島の港からささやかな祈りが届けられる

彫刻は見えない何かに結ばれ

瀬戸内海に浮かぶ小さな島から

世界の国々をつなぐ

ゆれる水面につながる隆起する砂浜の上で

子どもたちは、ただ穏やかなに佇んでいる
旅を続けている。風景を綴る言葉として
目に見えないものをすくい上げる
それはどこか祈りのようでもあり
祈りの空間がつなぐ風景への旅も重ねている

子どもたちが手を重ねる姿は

今と未来を結ぶ祈りの形

それらはまだ見ぬ世界と

あの空の、山の、海の向こうのどこかの国とも

この場所をつないでいる
リン・シュンロン氏によりつむがれる祈りの形は
2016年の小豆島から続く物語
旅を続けている。旅先で出会う風景は、様々な状況
を越えて今に至る。生まれるもの。失われるもの。
姿形を変えて今に残るもの。旅先で出会う風景を
慈しむのは祈りに近い。時代は、否応なく環境に
影響を与え、人々の暮らしを、関係性を変えていく。
今もなお続く争いは、世界を混沌へと向かわせる。
祈ることしかできなくても、祈ることはできる。
今の時代に存在するもの、いつか失われていく
ものに、言葉をのせ、世界とつなぐようにして。
子供たちの像の安らかな表情に、世界の平穏への
祈りが込められる。小さな祈りの形は時を越え、
場所を越えて、やがて大きな祈りへと伝播する。
