街が奏でるリズムを伝う
街に置かれた一つ一つの線をたどり
静かにゆっくりと、時にはテンポを上げながら、
街が奏でるリズムを伝う。雲が流れる空を見上げ
ては壁に沿って、足元の形に目を留める。連なる
線をたどっては、旅に刻まれる風景を重ねていく。

波間を表すような瓦屋根の下にぽっかりと

描かれた丸。円相図が描く曲線に
旅の時間はふと緩やかになる

のれんに記された和敬静寂に

旅の記憶が宙に浮かび
香川が生んだ美意識に思いをはせる

つながる丸の石畳は

100年の時が流れる料亭のもの
振り返ってはこの地の奥行きを知る

円相の先に広がる空間に思いはせて

いぶし銀の瓦は、曇り空の下の海のように

波打ってはリズムを奏でる

時間は物質に変化を生じさせ

色は褪せては形は綻ぶ

それは流れる時間そのもので

水の流れを司る水門に
旅は止まっては流れ出す

染み、ひび割れ、きしみ、退色。ありのままの街に沿い

悠久の時の流れと、刹那の旅のひとときを

四半のリズムに重ねては

格子となって風景を動かすように

漆喰の壁に刻まれた形をたどる

うたづの古街に浮かぶ新しい時間

時を重ねる古民家には新たな時が流れ出す

旅先の出会いは一期一会。出会えるものあれば
振り返っては気づくものもある
うたづに魅せられた人々が

街にリズムを与えていく

建物に刻まれた対比に惹かれては

瓦が織りなす景色をたどる

何気ない風景にふと現われる
街の時間を動かす建物

古街はこれからも、この先も

受け継がれる文化とともに
この場所のリズムを奏でていく

街は祝祭の気配を帯びて

アートは流れる時間軸を変え
新たな歴史が重なり合う

アートは人を場所と、歴史をつないでいく

時は流れては

街の記憶が風景に浮かぶ

祝祭の気配の中を歩き

うたづの街に流れる日々の先へ
歩みを進めては、奥行きを増していく街の風景を、
懐かしみながら振り返る。ほんの刹那の高揚と、
噛みしめるように街を伝う。旅は動的に、静かに
記憶の中で動き出す。街はリズムを奏でるように。
