遠ざかる島の形を心に留めて
潮騒にふれ、海を感じる旅を続け
瀬戸内海に浮かぶ高見島をめぐり歩いた。時間が
染みこむ石垣の続く細い路地。島は見え隠れする
海に包まれる。島でのわずかなひとときに、散り
ばめられたアートは、風景の見え方を変えていく。

島をめぐりまた海へ

旅の接点ともなる港には

旅の気配が漂っている

ゆっくりと出航する船は、島の記憶を運んでいく

見送る人、旅をする人、島に暮らす人

それぞれの思いを乗せ、遠ざかる船を見送る

次の島への便の間にも

島の隅々に目を凝らし

旅のひとときを心に揺らす

足元には島の猫
旅の記憶を重ね、船を待つ間にも

港に広がる緑の中へ足を踏み入れれば

動物の彫刻に賑やかに出迎えられる

島にはアートが息づいて

新たな物語が重ねられる
動物達が並ぶ森を後にする

島から島への旅は芸術祭の秋会期のこと
海の風に、夏から秋へと旅は運ばれ

島をめぐって、高見島へとたどり着いた

空には一筋の飛行機雲

風景をつなぐ大漁旗
視点をめぐらせれば欠片は集い

旅の風景を形作る
灯台は航路を示し、旅を照らす

出会いと別れを繰り返す港で

傾き始めた太陽に、空は色を帯びる

遠ざかる島の形を心に留めて

体に響く船のエンジン音に
過ぎゆく形がこぼれないように

見送る人に手を振り返す

航跡に光が揺れる
遠ざかる島に思いを重ね
旅の記憶を心に置く
流れる雲に、行き交う船。過ぎゆく旅の時間に、
島の風景を名残り惜しみながらも、港を後にする。
島を伝う旅は本島から高見島、そして次なる島へ
と、船は塩飽諸島にゆらめく波をかき分けて進む。
