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朝靄は風景を見え隠れさせて

旅はゆるやかに、姿を変容させ

移り変わる旅の舞台を、次の目的地へ向けて自転車を
走らせる。辺りは徐々に朝靄に拡散された光を帯びる。
風景は不確かなものから、確かなものへと見え隠れし
ぼんやりとした靄は、旅の期待感を包み込むように。

朝靄は風景をおぼろげに包み込み
今いる場所が、旅が、不確かな形をまとい
その不確かさをつなぐ線をたどるように
霞がかった田園風景の中、じんわりと広がる光の下
朝靄を切るように自転車を走らせる
どこまでも続くと思われる田園風景にかかる靄も
だんだんと晴れ、空には青みが広がっていく
目的地へと通じる道をたどり、橋を渡り
川を越えて、着実にその先の風景を重ねていく
田園風景の中の民家を横目に、ここでつむがれる生活や
鬼瓦やなまこ壁の意匠に地域性を感じながら
確かになったり、不確かになったりもする風景の中
木々は靄の向こうに見え隠れし
拡散する光に木々のシルエットは淡くなり
やわらかく広がる光は風景をにじませる。
少しずつ青みを帯びていく空。水面に映る空も形をなし
おぼろげであった風景は、だんだんと明るみを増していく
光は徐々に強さを増して、町の風景を確かなものへとし
朝靄の風景の中を自転車は進み、ようやく次の目的地へ

自転車で走る。風景が流れてゆく

歩きの旅では得ることのできない速度感とつながり

過去の自転車での旅の風景も思い出す


だんだんと空には明るみが差し、視界が開けていく。
不確かであったものは、確かなものとなり、風景は
実体として立ち上がる。朝靄をまとう田園風景の中を、
光の変化を感じながら進む。自転車での旅の良さは、
歩きの旅と比べて、風景の移ろいを体感できること。
そして自転車ならではの移動距離で、次の目的地へ。


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