展示のテーマはつながりと循環に
つながりを旅の中で感じながら
2度目の万博で日本館を訪れた。展示のテーマは
つながりと循環。いのちはめぐり、間にたゆたい、
やがて自然へ還る。ものとものの隙間に存在する
はかないものや、見えないものに目をむけてみる。

日本館にこめられた小さないのちの関係性

展示の途中の砂時計のオブジェに時間の流れを感じつつ

形あるものは、形をなくし、また素材へと還る

そのゆるやかな流れを可視化したような

光の波で構成される空間に沿って進む

小さないのちの点が重なりあって、面を作り

それぞれが個別に光を放ち波打つ空間

日本館で可視化されたうつろう形や

目には見えないものの存在やデザイン

現ニされた清酒の麹菌の形に、親しみを覚えつつ
かぐわしい清酒を頂くグラスにもデザインを

清酒もよいが、今は焼酎。並ぶ麹菌の形に
旅先の焼酎の風景に思いをはせて

一番先に展示された線香花火のような可憐な麹菌は
泡盛のもの。旅もお酒も沖縄へと広げていこう

循環がテーマの日本館には、ごみを分解する設備があり

ごみは形を変えて、デザインされて生まれ変わる

パビリオンの中心には円を描く空。その下には

円の形をした水盤が水を湛えた空間が広がる
時に水面は、風景を映し、人の心も映すようで

その日は風により、小波立つ水面に

水の存在を感じながら、次なる展示は

かつて水が存在していたという火星の石

それは1000万年の時を超え、地球にやってきた火星の隕石

目に見えない水の存在。水とともに遥か昔から

存在しているという藻類には、大きな力が秘められている

日本館で目指された楽しいデザインのひとつとして

数々の藻類に扮するキティーちゃんの姿
あれも、これも、それも、藻で

クロレラ、ミカヅキモなど、聞いたことのある名前や

デザインとしても馴染んでいるマリモの姿に
藻類が持つチカラと可能性に思いをめぐらせて
構想に4年の日本館。ここは中でも苦労したという

藻類の生み出す可能性は、人類の共通の課題を

課題を解決する切り札としても注目されている

続く展示には未来の森というコンセプトで

水が流れるチューブで栽培されるスピルリナという藻類

それは穏やかな光に包まれて、生い茂る緑のように

新たな森の風景を形作る。鏡は世界を反転させ

一つの大きなデザインされた空間として

幻想的な森の中で

ささやかな命の存在に、大きな力を感じるように
チューブの中をめぐり光合成を行っている正体は

螺旋状の形が名前の由来でもあるスピルリナ
日本館は楽しさを拡張させて、知識へとつなぐ
展示をてがけられたのはnendoの佐藤オオキ氏
そこでは日本的な美意識も取り入れられて
氏は、以前から日本の美についてのデザインを
考えられて、それが2025年の日本館につながった
デザインも迷えば、また最初に戻って考えるという
円を描くように続く日本館。そこには、ちいさな
もの、ささやかなもので溢れている。中央には水盤
の空間は、何もないようでいて、訪れた人の記憶に
問いかける。水盤の上に広がる空に、旅はきっと
始まりも終わりもなく続いていると思いを重ねて。
