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旅先の風土に身を沿わせるようにして

アートは風景と一体ともなり


道行く先に現れる。終盤へと向かう小豆島のアート
をたどる旅は、海辺を離れて山側のルートを進む。
山並みの裾に幾重に棚田が広がる風景を、懐かしく
感じながら、旅先の風土を感じるように旅をして。


石積によって緩やかに続く棚田の風景を眺めつつ



芸術祭の青いのぼりの先の、石垣と一体となるアートは



猪鹿垣と呼ばれる石垣に、道祖神のように並び



異星人のような魔除けのような姿をしていたり



ウルトラマンの姿にも。続く石垣は



地面から隆起するような土台となり



てっぺんには小さな城のオブジェ。小豆島の風景に



石垣へとつながる楽しげな記憶が刻まれる


アートは小豆島の風景に新たな角度で組み込まれ



今までも、続く石垣の風景に沿うようにして


風土から生み出される形をたどってきた



石垣は、時には動物たちから、台風から


地域を守り、それが風景へと根付いていく 



石垣の上のこぼれ石は、敵の侵入を知らせるものに


五島への旅の風景も懐かしい




石垣が連なるアートを後にして



川沿いのベンチでひと息つく間もなく



農村の穏やかな風景の中を東へと進み



山裾に広がる集落を遠く眺めながら



水田の先に建つ茅葺屋根の建物を目指す



旅をしたのは5月の末で、田植えも終わり



水田に映る山々の風景に包まれる頃



目的の茅葺屋根の建物の、時を重ねた板貼りに



触れるようにして、建物が建つ境内へ



使われなくなった石臼からのぞく緑に目を留めて


 
離宮八幡神社とよばれる神社の石段の脇には



顔と胴体がつながるような姿の狛犬が鎮座する



石段を一歩一歩踏み締めながら



社殿の前の狛狐を眺め


旅先の神社で出会う動物も拾い集めるように



旅はここまで安全に、そしてこの先もと願いつつ



神社の境内に建つのは、肥土山農村歌舞伎舞台と呼ばれる


江戸時代から伝わる農村歌舞伎の舞台


文化財にも登録され、この先も受け継がれていくものに



農村舞台には津山の旅でも、その空間に


身を置いて踊るように旅を楽しんだ



小豆島の農村歌舞伎といえば、服部緑地の集落博物館にも


展示されている。また季節のよい時期に訪れよう


農村歌舞伎は風土に根ざし、土地の記憶をつなぐ



肥土山の舞台で行われる農村歌舞伎。舞台の様子
だけでもふれられればと、津山の旅でも出会った
舞台を思い返しつつ、舞台が設置されている神社を
訪れた。案の定、静まりかえる境内と、農村舞台の
閉ざされた木戸。そこに三味線が響く歌舞伎の風景
を重ねてみる。田植えや収穫を祝い、奉納や娯楽
としても生活の一部であった農村歌舞伎。旅先の
風土と共にある風景にもふれながら旅を続けて。


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