屋島のふもとに位置する場所へ
高松港を後にして
屋根のようなシルエットの屋島に向けて、帰りの
フェリーの時間を気にしながらも、伸びゆく空に
引き込まれるように、祝祭の気配が漂う瀬戸内へ
の旅の締めくくりへ、一路、自転車を走らせる。

屋根のような、テーブルのような屋島を目指し

雲の流れに沿うように

風景にすっと伸びる線に、伸びやかな空に

引き込まれるように、ペダルをまわし

屋島の麓に位置する場所へとたどり着く

台形は屋島を、四角は現在地を示すロゴの

四国村ミウゼアムで旅を締めくくる

ごつごつとした岩の流れを踏みしめて

四国各地から移築復元された建物をめぐる

太平洋に面した断崖の下の
集落の漁師の家では

床の間のつぼも、この旅で見慣れたもので

網とともにずらりと並ぶ
遠く離れた伊座利の地から移築され

当時の記憶を伝えては
海の風景をつないでいく

空へ伸びるのは火の見櫓で

漆喰の壁は人々や物資の往来を監視する
斥候番所となる建物

軒丸瓦に連続する

四角の形が旅をつないでいく
平四つ目紋は京極氏が納めた丸亀の地

滑らかな漆喰の壁の内部には

光と影が交互に続く

空間が立ち上がっては

光は収束と拡散を繰り返す

ひとときの芸術祭の舞台ともなる四国村に

建ち並ぶ建物に流れる過去の足跡

石蔵には固く閉ざされた鉄の扉

土蔵の漆喰の壁には瓦庇が軽やかに

建物を守ってはリズムを刻む

焼杉板に包まれるのは

義倉と呼ばれる建物で
飢饉や災害に備え、穀物を貯蔵する役目を持つ

当時を生きた人々の歴史と暮らしが

今に伝えられる四国村は

新たなデザインの風を取り込んでは
時代の波を見据えながら
四国村ミウゼアムという新たな場所で
過去の暮らしの声が、現在へ響くものとなる
屋島のふもとに位置する四国村には、10数年ぶり
の再訪となる。一人の実業家の意思が、多くの人
に伝わり、今に流れる場所。ごつごつとした坂の
感触を足裏に確かめる。開村から50年。重なる
思いは厚みを増し、新たな時代へと受け継がれる。
