いつかの宿の風景を訪ねて
この風景を覚えている
醤油蔵の焼杉板の続く街並み。この建物の手前の
角を右に折れれば、その宿へと至る道が続く。10年
前の旅は家族とのんびりしたもので、フェリーに
揺られ坂手港へ。宿に着きゆっくり過ごす宿での
時間。かつては宿に泊まるのが目的の旅もあった。

焼杉板の連なる風景が懐かしい。この道の雰囲気を

思い出し、10年前の記憶をなぞるように進めば

小豆島へのかつての旅の目的地でもあった島宿 真理

当時と変わらぬ姿に記憶が呼び覚まされる

コンクリートの床に広がるデザインも新鮮に映りつつ

期待感を抱かせるアプローチの雰囲気もそのままで

石の棚にそっと飾られた花にも目を留める

石畳の先にかかるのれんの奥には宿の入口。ここから先は

当時の記憶へ。異なるデザインであったのれんをくぐれば

ロビーの床板には水面のように風景が映り込む

民宿が改装され、洗練された空間には温かさも満ちていて

20種もある果実酒を、ほどよい加減で頂いて

意匠がこらされた客室を、子どもたちはぐるぐるめぐり

わたしたちは宿の時間に浸ったことを思い出す

テラスに出れば島の音がふるように

広がる石庭にその音が染み込むように

雰囲気のある離れの浴室で汗を流せば

小豆島ならではの、醤でもてなすという

醤油会席。島の香りを味わいながら
目を丸くする子どもたちとの懐かしい旅の思い出

宿に散りばめられたおもてなしの心をたどり

いつものように、旅先では朝の散歩へ
富山の旅では、長男との久しぶりの朝の散歩

当時、旅先での朝の散歩は、次男はなかなか起きれずに

長男と、その土地の雰囲気を味わい、風を感じ、

高台から街並みを見下ろしたり

路地裏を縫うようにして、宿の周囲をひと回りする

宿に戻れば朝ごはん。食することも宿での楽しみの一つ

10年前の旅も夏の始まりの頃。当時もそっと置かれた花に

目を留めて、期待に胸をふくらましたアプローチを後にし

島宿真理ともお別れを

それはいつかの大切な思い出
2010年に改装された島宿真理は
海音真理という別館も建てられて
今も小豆島で旅人を迎えてくれている
旅先の朝は気持ちが良いものだ。早起きして周囲
をめぐる。当時、長男は普段は遅くまで寝ていたが
旅先では早起きし、2人で散歩するのがの楽しみの
一つだった。長男と眺めた旅先の風景が懐かしい。
ひと歩きすれば宿では、素敵な朝食が待っている。
いつかの旅に思いを寄せて、また次なる目的地へ。
