アートと自然がつむぐ風景の中へ
体を連なる形に沿わせるようにして
アートと空間と自然がつむぎ出す風景をたどる。
空と海と緑と建物、そしてアート。重なる四角の
ステンレスの板が帯びる光、切り取られた三角の
形、青い器が空と海に描く半円、そして閉じた球体。

壁で構成された美術館を後にして、もうひとつの建物は

あきらめて、島の地形を感じつつ先へと進む

直島のこの道を歩くのは二度目で

12年前に、子供たちを連れて歩いた道

季節は同じ夏のころで

光を帯びてきらめくアートをたどり

輝く海の風景への旅もなつかしい

そして今、同じ道を歩く。アートは今も

重なり、風景に直線を与え

海や風ともつながりを持つ
風に動く三枚の正方形という作品

風景の中に設置されたアートは

それぞれに空や海と呼応し

自然の中に浮かぶようにして
茶のめ、という作品は、これ食ふて茶のめ
という禅僧の仙厓の言葉をモチーフに

アートにたくされる意味と風景と。打ち放しコンクリート

が風景を切り取るギャラリーに並ぶのは

大きな二つの黒い球体と、両脇に配置される金に輝く木彫

それらは、同時にすべてを視野に納めることはできない
作品の名は「Seen/UnseenKnown/Unknown
見えて/見えず 知って/知れず」限られた経験
の中で、全体、つながり、意図に寄り添い、
ただ形がつなぐ風景にも、心ひかれている

アートを納める地形のような構造物は、風景を分割し

演劇的な舞台を作る

海へと続く桟橋から望む

自然と共にあるアート作品の
タイム・エクスポーズドは風景の一部ともなる

アートや建物は自然に抱かれ、島との関係を形作る

桟橋を振り返り、島の風景を見渡して

大きな階段を、自分もその風景に参加するように

上っては島に流れるアートの気配と

広がる自然を感じていく

なだらかに続く道。ゆるやかに動く視線の先の

穏やかな海に浮かぶ島

見上げれは、3枚の板の角度が変わっている

そして、高くそびえるヤシの木の下を

またいつかの旅の風景へ
ちりばめられたアートをたどり、島の地形を感じ
ていく。海から空へ、アートから島へと見渡せば、
風景は転じ、色や形を鮮やかにしてせまってくる。
いつかの他の風景を書き換えるように、その先へ。
