美術館の中に漂う時間の中を
その糸をたどるように風景を重ねていく
1700㎡の空間はゆるやかにつながって、糸によって
記憶が表現される千春さんの世界を後にする。糸の
つながりは、この先の私の風景の中に、表れて導いて
くれるはず。そんな糸をたどりながら、風景を重ねて。

美術館の大きな空間は大規模なインスタレーションを可能に

そしてロビー自体が、アート作品のような空間を過ぎ

連なる線の情報は重なり混じり合い

自らが移動することによって、緩やかに変容していく

そこでは美術館の訪問者が、美術館を舞台とした演者のように

照明の光はピクトの形も拡張するように

内部に広がる自然光は、次なる空間を光で満たす

訪れたのは美術館の片隅の企画展で、1970年の記憶

まばらに点滅する青い光が、懐かしい記憶へとつなぐ

懐かしいラジカセからは、当時を彷彿させるサウンドが流れ

段ボールに描かれたのはいつかの風景

それは、大阪の歴史を紡ぐ展示

ロストイン大阪。大阪で失われたもの、また生まれたもの

敷かれたマットは、1970年の大阪万博のオマージュとして

ただしんとしたその空間を感じつつ、そこには

1970年万博の風景も。野外音楽はそこから広がり持ったとも

展示されていたのは小松千倫によるOsaka Directory 7
その展示は、1970年の大阪万博のパビリオン
「せんい館」から着想を得たものだという
そこで繰り広げられた前衛の記憶にもふれる

その日は時間を気にすることなく、のんびりとじっくりと

以前にも訪れた美術館で、いつかの記憶をたどりながら

椅子の足にはNのシルエット。そして、その先の目的地へと

建物のガラスに映り込む風景に沿って

美術館に散りばめられるデザインも楽しんで
洗練されるデザインをたどり

黒いキューブ状の中之島美術館を各面からも

見上げれば、また風景はつながり連続するように

シンプルな壁面は、周囲の風景の背景ともなる

アートとの出会いを楽しみながら、ふと立ち寄った
小松千倫氏による音と空間と記憶にふれる

あらためて、つながる私、という言葉を胸にしまい

大阪中之島美術館を後にして
記憶の糸は縦にも横にも紡がれ、風景や歴史の連続性
をつないでいく。1970年に行われた大阪万博、そこで
の音の記憶が、この作品の根源にある。この風景は
2024年のたった1日のことだけど、文章にすること
で記憶として刻まれ、それは私の風景の一部となる。
