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春日大社を後にして、奈良の旅も折り返しに

自転車を停めて歩いた奈良公園で

ゆったりと過ごす鹿の間を縫うように、時の層が積み
重なる風景を中を進み、朱色に彩られた本殿を訪れた。
さて奈良の旅もこの辺りで折り返し、また奈良公園の
中を時を巻き戻すように、現代の建物の間も抜けて。


鮮やかな朱塗りの春日大社を後にして
自然の力強さが宿る、大きくうねるような木々の中、
古来から設置され続け、2000基となる石燈籠の風景をたどる
深い緑に包まれた道すがらに、設置された鹿の像や
2023年に新たに設置された神鹿像も見られる

鹿とつながりの深い春日大社の風景に重なる神鹿像は

春日鹿曼荼羅をモチーフにして、榊と鏡を背負う姿で

この地の歴史を今に伝える鹿の姿も拾い集めて

参道を引き返して、ニ之鳥居をくぐる

春日の社は一之鳥居から二ノ鳥居への軸線を持つ

参道沿いの石碑は、春日大社が古都奈良の文化財として

1998年に世界遺産に登録されたことも示す

参道を進めば、広がる空の下に輝く白い壁面を持つ
春日大社の国宝殿。式年造替に合わせ改修され、建物の間には
春日若宮おん祭で用いる鼉太鼓を飾る鼉太鼓ホールも

元の建物を手掛けたのは谷口吉生。そこに流れる

静謐さは、かつて訪れた建築群の空気感につながって

春日大社国宝殿には春日大社が所有する国宝354点や

春日若宮おん祭での舞楽の演奏に用いられる鼉太鼓も

12月の奈良の風物詩ともなる春日若宮おん祭りは

900年も続くという。古来から連綿とつながる風景の中
鹿たちも変わらず奈良の地をたゆたうように
時には立ち止まり、見つられたりもしながら
木に掲げられた看板は、その日に行われていた鹿の角きり
これも鹿と人が共存していくために必要な営みでもある
参道沿いには春日大社の神苑に広がる萬葉植物園

国宝殿も植物園も、訪れたい気持ちをぐっとこらえ

今回の奈良の旅での、もう一つの目的地へと旅を進める
それでも木漏れ日の奥に連なる建築に足も止まり
引き寄せられるように入口へ
建物は旧奈良県物産陳列所という近代建築で
今は奈良国立博物館の仏教美術資料研究センターとして
利用されている。建物の周囲をめぐりつつ
可能な範囲で、建物に散りばめられた意匠をたどり

1902年に関野貞が手掛けた建物にもふれながら

奈良公園を訪れた。1300年の悠久の時を紡ぐ建物や、
その思いを未来へとつなぐ現代建築が交差する。深い
緑に包まれながら、のんびりと過ごす鹿たちの風景も。
訪れる程に、様々な顔を見せる奈良公園を後にして。


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