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建物に流れる時間を感じながら

100年の時を刻む建物もあれば

困難にあい、姿形を変えながらも建ち続けている建物
もある。建物はそれぞれに異なる時間を刻み、そこに
流れる時を感じつつ、古きよき建物をめぐっていく。
100年の時を越えた三井商船ビルの隣の建物は、震災
で大きな被害を受けつつも、従前の姿へと再生された。


リズミカルで直線的なデザインのレリーフ
金色のプレートに映り込む三井商船ビル
BEAUTRIUMの文字とプレートの質感
訪れたのはシップ神戸海岸ビル。いつものように全体像を
建物の中に足を踏みいれる。圧倒的な空間の広がり
吹き抜けに満ちる光。空間と階段の関係性を楽しみながら
上階へ。高さを変えるほどに、空間の見え方は大きく変化し
空間に漂う時を感じながら視点を変えていく
窓の外には三井商船ビル。古きよき建物はつながって
めずらしい形状の階段にも心踊らせつつ
再生された空間を、当時に思いをはせながら
建物を支える柱や梁を見渡しつつ、階段を上り
4階へ。このフロアにはBEAUTRIUMというヘアサロン
エレベーターはシースルーで古き空間に新しいデザインも
窓の外を見渡せば神戸の港へとつながる風景が広がる
この空間の素晴らしい所は、吹き抜けが廊下に囲まれ
ていることで、様々な角度から楽しめるということ
全体を見渡し、見下ろし、空間を体験して
通路を進み、また外部の建物との関係を感じながら
1階に降りて吹き抜けを見上げる。空間
の広がりと窓の配置や階段の形状にも
面白さを感じて。1階にはフォトスタジオが入り
その奥のギャラリーの空間では
2025年の2月まで、My Californiaという展覧会

作者は日本とカリフォルニアを行き来し

その場所で感じるものを表現されている

建物には当時のデザインも残されて
複雑な装飾が施された木の扉は時を超えて
海岸ビルのプレートにも歴史を感じる
1918年に建てられた海岸ビルの歴史にもふれる。手がけたの
は河合浩蔵で、ドイツのセセッションの影響を受けたという
幾何学的なレリーフをまとう建物は
その上に高層のオフィスが重ねられた建物へと再生され
海岸ビルの外観は保存され、その物語も受け継がれる
外観には幾何学模様が連続し、旧居留地の風景を構成する
直線的なレリーフの緻密さにも驚きつつ
外観はリズムを奏でるように凹凸を持つ
建物を近く寄って観察すれば、次は
引いて眺めてみる。向かいの歩道に設置された彫刻は
淀井敏夫のローマの公園という作品

その繊細なデザインには姫路の旅でも出会った

シップ神戸海岸ビル。その美しい外観は残されつつ
新しい高層オフィスを複合する建物として再生された

旧居留地はフォトスポットにあふれている

文化遺産にも選定された海岸ビルには

古さと新しさが斬新に融合された形がある


建物楽しむということは、散りばめられたデザインを
もさることながら、内部空間に身を置くこと、体全体で
空間を感じること。海岸ビルの建物に足を踏み入れる。
ざらついた壁の質感、古きよき時代のデザインされた
窓の形。複雑な装飾にも目を留めながら、過去の時間
が漂うような空間に身を置く。拡散された光が空間を
包みこむ。自分の足音が響く。この空間にいるのは自分
一人。贅沢な瞬間だ。側には上ってみたくなるような、
おもしろい形の階段。窓の外に三井商船ビルが見える。

旧居留地に建てられた近代建築は、それぞれに歴史を
紡ぎながら今に至る。シップ神戸海岸ビルには当時の
外観が再生され、その内部にはガラス貼のオフィスが
建設された。過去のデザインを甦らせ、新しい空間へ
と変貌させる斬新な設計。オフィスは、当時の外観の
背景になるように配置されている。建物を残したり、
新しく生まれ変わらせたりと、建物の歴史はこの先に
続いていく。もっと建物と歴史と街との関係を楽しみ
ながら、風景との関係に目を留めつつ旅を続けよう。


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