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そして念願の場所へとやってきた

建築家の足跡を求めて、ここまでたどりついた

奈義町現代美術館は、作品をその場所でしか感じる
ことのできない少数の常設展示の美術館。1994年の
開館当時に、そのような美術館は少なかったといい、
その先見の明、先進さ、特異さにあらためて思いいる。



そして併設された図書館へ。写真撮影の許可を頂いて



本に囲まれた心地のよい回廊をめぐる



図書館という場所、そのものにひかれている


今までも日常で、旅先で、様々な図書館を訪れてきた



回廊の先に芸術祭の展示のサンドラ・シントの青に浮かぶ



白い結晶のような作品と、青い壁に展示される子どもたちの絵


印象的な空間にふと青と白の色の記憶が重なる


奈義町にあふれる自然、子どもたちの声、美術館の存在



それらが混じり合う自由な絵は、未来を形作るきっかけとなり



サンドラ・シントはその思いを作品へと刻む
 


以前には、星や結晶など、自然をモチーフとして



空間は宇宙とつながり、時がうつろうような作品も



自然とのつながり。図書館に柔らかく満ちる光は



吹き抜けの上部のトップライトから穏やかにふり注ぐ



四角に切り取られたトップライトはアートのようで



そこから見える雲の流れ、光のきらめき



切り取られた空。そこに流れる雲は時のうつろいを感じさせる


かつて見上げた、切り取られた印象的な四角い空は



強く心に残り、その風景は今でもまぶたの上にあるようで


越後妻有の四角い空は、家族との大切な記憶でもあり


ジェームズ・タレルの光の館でのひとときを思い出す




奈義町現代美術館に併設される図書館には



アートを感じる気配が流れていて



窓の向こうの美術館、自然、空、雲とつながるように



森の芸術祭 晴れの国・岡山で、また大切な体験をして



その芸術祭の舞台となる奈義町現代美術館で


全身でアートを体感し、建築家の思いがこめられた



建物にふれるほど近づいて、その声を聞くように



建物の表情を感じるように



直線や曲線が織りなす風景をなぞるように



自然に包まれた奈義町現代美術館、そして図書館を楽しんだ



それは磯崎新によって残されたとても大切なもので



作品と対話し自然を感じることができる場所でもある


などと、後ろ髪をひかれつつ美術館を後にして



奈義町の現代美術館を再び訪れた。建物はその場所に
建ち続け、訪問者を迎え入れる。建築家のまなざしは、
確かにそこにあり、芸術家達の作品はそこで、建物と
一体となり静かに語り続けている。そしてその一部で
もある赤い箱体。ぽつりとぽつりと設置された窓に、
頂部のトップライト。ずっと気になっていた図書館。


16年前に訪れた際には、まだ幼かった子どもとの旅。
先へ先へとかけていく子どもを追いかけてばかりで、
現代美術館はまだしも、併設された図書館を訪れるの
はかなわなかった。以来、ずっと気になっていた空間
で、今回の旅で、ようやく念願の場所へとやってきた。


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