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記憶をつなぐ石垣の間を縫うように

岡山県の津山市の森の芸術祭の会場で


また看板をたどり進んでいく。眼の前には石垣が高く
そびえ立ち、かつての津山城の大きさを物語る。当時、
石垣の上に設けられた櫓の数は大小で77棟もあった
といい、姫路城の櫓の数も凌ぐほどであったという。

次なるアートは津山城の中にあり
そびえる石垣を見上げながら
かつての津山城が誇った威容を想像してみる
津山城は桜名所百選にも選ばれていて

今は、桜の季節には1,000本もの桜が咲き誇る場所へ

石垣の前には、津山藩初代藩主の森忠政の像
忠政により1603年から1616年にかけて築城された津山城は
明治時代の廃城令によって、一度全ての建物が
取り壊され、石垣がその名残りを伝え、今では
今城趾は鶴山公園という名で、市民の憩いの場となっている
次なるアートは立ち並ぶ石垣の先にあり
城の入口でもある冠木門跡を通り
城内の石垣の表面の質感や接合面にも目を留めつつ
石垣の上からは津山の街が見下ろせて、ここが街の中心で
あったことを感じる。途中には、1871年に建てられた学問所が
1994年に、三の丸跡へと移築された
それは鶴山館という名で、今も催事場として
場所を変え、時を超えながら当時の姿で利用され
建物に刻まれた思いを伝え続けている
その外観の随所に、経過した時の長さを感じながら
鶴山館を後にして、三の丸から二の丸の方へと進む
石垣はまた凹凸の大きい野面積みへ。場所による石垣の違い
に目を留めつつ、案内図をたよりに今度は三の丸から二の丸へ

石垣の風景に、いつかの旅の景色に思いもよせながら

以前にも訪れた姫路城の櫓の数は、61棟であったと
いい、あらためて今回の津山城の大きさを振り返りる

石垣が残る城趾の風景には、奈良の郡山でも訪れて

九州で過ごした時間では、街の中に残る福岡城址へ

また島原の地で世界遺産となった原城跡も懐かしい

津山城内は複雑に入り組んで、石垣も立体的に連なっていく
訪れたのは11月初旬の秋も終わる頃。春を待つ桜の間を進む
三の丸から二の丸へと向かう階段前にあった表中門。二階建て
の門では大阪城、名古屋城、江戸城を除き最大であったという
二の丸の入口にあったかつての四足門は、今は別の神社に
そしてその先に堂々と建つ備中櫓は、2005年に
築城400周年を記念して、当時の建て方で復元されたもの
石垣の上から津山の街も見下ろしながら
反り立つ石垣の曲線も見上げつつ
変遷していく石垣の表情をたどり、津山城の周囲に
広がる風景を感じて進む。池の奥には津山文化センターの姿
二の丸をぐるりとめぐり、目指すは本丸で
ようやくその手前に、津山城内に設置されたアートへと


複雑な城郭の構成に、石垣は高さを違え、連続した
風景を生み出している。平滑なもの、荒々しいもの、
時代や場所により、質感は変わっていく。入り組んだ
石垣の上に広がる空に、かつてはそれを遮るように、
建っていた櫓の姿を思い浮かべつつ、城内のその先へ。


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