扉をくぐり階段をのぼり、その先へ
色は鮮やかに、懐かしく
空間は楽しげに。女木島からニューヨークへ風景
はジャンプする。おぼろげな色。赤と黒。ぐわん
と色は展開し、海の向こうへと空間は移動する。
島に作られた映画館が、時を超え歌いだすように。

音色がゆらりと流れ出しては、映画の世界に浸るように

視点を収束させては

拡散させる

空間には、にぎやかな光と色と

ポップコーンとフィリックス

壁面をかざる銀幕の華やかなスターに

親しみを感じながら扉をくぐれば

反転する空間。どきりと心は振動し

どこか懐かしく

空間の色と温度の中で

のどかに描かれる風景が

くらりと揺れ動くようにして

女木島名画座の中を歩く

光を吸い込むような空間に

飲み込まれそうになりつつも

切なさと楽しさの間を

歩いては空間に引き込まれて
色と温度が帯びる時間に

なんとなく切なさを帯びる色と

心に明かりを灯す色

扉をあける。形が揺れる

シルエットが重なる

サイレントからトーキーへ

音は静かに、高まるように

女木島の名画座の物語は

まだこの先も続いていく
名画座への旅もまたいつか
空間に並ぶ映画スターたち。どこかユーモラスで
懐かしさを帯びている。ニューヨーク在住の依田
陽一郎氏が手掛ける空間。失われていく映画館の
記憶をつなぐ扉をくぐり階段をのぼり、その先へ。
