建物が刻む時間にふれながら
価値ある空間と建物へと
2025年の瀬戸内国際芸術祭への旅の途中に、立ち
寄った高松の街。思いがけず予定を変更しつつも、
魅力あるアートや建物をたどる旅。高松といえばの
香川県庁舎。またこの建物も街を代表するものに。

建物と街をゆるやかにつなぐ柱廊の床には

モザイク上に重なり合う石の調べ

さざ波をモチーフとした石張りは

流政之によって手がけられたもの

ロビーの内部にも氏の彫刻が設置されている

床の動きは壁とつながり

均一さを崩しながら

リズミカルに建物の外壁を構成する

壁面は大きく表情を変えながら

高松の街を見守るようにそびえ建つ

リズムを転調させるように

ルーバーは均一にも並び

街に動きをもたらす

外壁がまとう緑青銅板は時を刻み

建物のデザインは時代を超える

低層棟ごしに高層棟を見上げれば

当時の壁面がカーテンウォールに覆われ、時をつむぎ

流政之が手がけた境界沿いの緑の壁も今も残る

情熱が注がれた複雑なデザインの建物には

ずいぶん前にも一度訪れた

その頃はまだカーテンウォールに覆われる前のこと
およそ60年も前に建てられたとは思えない
現在につながるようなデザインの建物を
手がけたのは日建設計の薬袋公明

関西では大阪ビジネスパークの

ツイン21も手がけている
強度のある設計は、時を内包し、時代を越えていく
建物がまとう時の流れ。素材は色あせながらも輝き
を放つ。建物が持つデザイン的な強度は、時間に
抗い、時代を超える。外壁がまとう緑青銅板は、時間
そのものを表すようでもある。人々愛され、街に
生きる建物は、今も凛とした表情を見せてくれる。
