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それは美術館になくてはならない存在に

その美術館には、マルタ・パンの白い彫刻

時間が染み込むようなレンガのやわらかな質感と、
縦横のラインが効いたシャープな建物のデザイン。
そこに設置された伸びやかで、上品なフォルムの
椅子のシルエットは、空間に緊張感をもたらして、
座るという行為をあらためて意識させてくれる。



自然光が広がるロビーに、あたたかみのある雰囲気の



座る形に合わせるような小さなスツール



重心を下げ、空間を伸びやかに見せるはベンチは



やわらかな雰囲気を作り出す。その先には



見慣れたシルエットのアームチェア。それは座ることを



目的とさせてくれるように、出迎えてくれる



寄り添うように、高め合うように


美術館に椅子はなくてはならない存在となる




スキュルチュールはフランス語で彫刻という意味



ここは彫刻作品に出会える場所で、鮮やかな緑と


時を重ねるレンガに浮かぶマルタ・パンの作品



壁にかけられたポートレートには、偉大な彫刻家達の姿



彫刻はくらしの中にもあり、福岡で過ごした日々の


側にあったヘンリー・ムーアのシルエット



もちろん彫刻は美術館とともにあり、マリノ・マリーニの



彫刻は、建物のデザインを背景に


福岡市美術館の空間の主役となるように



福岡で始まったnoteの旅は、関西へと戻り



具体と抽象の間にあるオシップ・ザッキンのトルソは


御堂筋彫刻ストリートに佇んでいる



そして彫刻といえばのロダンによる守りの手は



2025年、関西の地に、遠いフランスの地からやってきた


またスキュルチュール江坂の展示作品を振り返り



ロビー空間でのひとときを、並ぶアームチェアの



周囲をぐるりと、椅子の質感を感じながら



その繊細な背もたれの角度をはかるようにして



心地よいひとときを過ごす



スキュルチュール江坂に設置された



ジョージ・ナカシマのラウンジアームチェアごしに



眺めるマルタ・パンの割れた球体。展示空間をめぐった



後は、この美術館になくてはならない存在の椅子でら



何もない休日の午後を、いつかゆっくりと過ごすのは


100個の好きの内の一つにも



ジョージ・ナカシマの椅子を見れば


京都で出会った教会の風景を懐かしくも思う


ジョージ・ナカシマの椅子は私にとっては、この
美術館になくてはならない存在に。慎ましい空間
を舞台に、椅子は動線に沿うように、ロビーに展開
されていく。リズムを変えて連続するサッシと対比
されるように柔らかでも、緊張感をたずさえた姿。


そこで談笑する人たち、コーヒーを片手にくつろい
だり、美術館に置かれている写真集をパラパラと
めくる。ちょっとした時間も、その椅子とともに
いるだけで、何か質が高まるような気がしている。

 
椅子に座ることによって、視点が変わる。椅子を
眺めることによって視線が低くなる。椅子は行動
をもたらし、空間に動きをもたらせる。彫刻と椅子
は美術館の展示の一部ともなり、ここには椅子
と空間に生み出される贅沢な時間が流れている。



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