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大きなリングの上に立って

形に宿る記憶は小さなものから大きなものまで

手仕事による継承された形の記憶。受け継がれるもの、
失われ、取り戻されるもの、そしてまたこの世から姿を
消してしまうもの。今、ここにある形を言葉と写真で
綴ることで、そこに確かにあった記憶を留めていく。



2025年に行われている万博の風景の



そこに立ち並ぶ、様々な形の記憶



圧倒的な構造で連続する大屋根リングの



内外で繰り広げられる形の共演を



楽しみながら、大屋根リングの上を歩く



万博会場、東から西へ渡った風景を角度を変え



地上からとは全く異なるデザインにふれる



人々で賑わうリングの上。きっと思い思いに風景を感じて



私はというと、つい形に着目して、赤や白の大きな球体に



床面に踊るコミャクのデザインや



外周に広がる輝く海の風を感じつつ



たどってきたパビリオンの形を拾い集めては


延々と続く大きなリングの上を体で測るように



万博会場のスケール感に身をまかせる



足元には小さな花



外側に広がる海に立つ灯台と



リングの内側に作られた水面に立つゲート



スケールの大きな風景の中



色とりどりの形をたどり



きらきらと輝く水面に、いつかの旅の風景も重ねるようにして



ロープの連続するポルトガルパビリオンの屋根はポコポコと



レイ・ガーデンのスロープのラインは重なりあって



日本館が描く円は幾重にも



そして大屋根リングを半周回れば東ゲートの辺りまで



またリングの内側を見返せば、先へと続く円の連なり



次に訪れるパビリオンの下見もかねて



円のモチーフのパビリオンのつながりを楽しみながら



象徴的なシルエットのウズベキスタンのパビリオン



円を描くモナコ館は周囲の風景を取り込んで



トルコにタイのパビリオンと、それぞれの国の多様な色と形



沈まぬ太陽のようにも見えるデザインのパビリオンの横には



分割された建物が街の風景を作るようなパビリオン



大屋根リングの上から眺めるパビリオンの形を楽しみながら



ふと、1970年の万博の会場へと思いをはせる



リアルタイムでは知らないけれど、いつかの誰かの



記録や記憶をたどりながら 


当時の感動に触れることで


今に残された風景に心を寄せる


1970年の万博のシンボルは今も大阪を見守っている



2025年万博の大屋根リングは、過去から未来へ


記憶をつなぐ。圧倒的なボリュームの建設の記録まで

2025年の万博には大屋根が建っていたということを



つづる。そして1970年の万博では、時代に抗うように


建てられた太陽の塔は、時代と共に愛される存在へ

2025年の大阪・関西万博の風景。大屋根リングは全周
約2kmという、途方もないスケールで万博を会場を
包み込む。子どもたちは楽しげに、大人たちは風景を
眺め、思い思いに過ごしていた。1970年の万博から
の55年で、失われもの、残されるもの。変化していく
時代の中で、その一時の風景を感じ、言葉を重ねる。
今、見えている風景と、未来から今を見返す風景は、
きっと違うものになるだろう。今も大阪を見守って
いてくれている太陽の塔を思い浮かべつつ、2025年
に、ここで万博が開かれたことに思いをはせながら。


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