風景はやがて光を帯びていく
フランス館の伝統と革新が入り交じる展示を後にして
日も静かに落ちて、だんだんと辺りに光が帯びていく。
パビリオンはそれぞれに光を発し、会場には昼間とは
また違った風景が広がる。最後に東から西へ、そして
また東へと、万博を旅した一日もそろそろ終わりに。

フランス館を後にすると、静かに日も落ちる頃

赤、青、白。パビリオンが放つ光の演出にも目を留めて

会場を囲む大屋根リングをつたって進む

少しずつ光を帯び始めるパビリオン

もう一度、会場を東から西へ、移りゆく風景を引いて見たり

寄ってみたりと、デザインされたトイレのピクトサインや

光の演出が始まるパビリオンをたどっていく

その中で、ひときわ目を引くトルクメニスタン館

流線型の建物には、まばゆい光が踊るように
トルクメニスタンの首都アシガバットは大理石を纏う
現代的な都市。世界には未知なる場所が広がっている

その側のパビリオンには文様の映像がきらめき、切り替わると

海を鮮やかに染める夕焼けの風景が展開されるマルタ館
マルタ共和国は、地中海に浮かぶ小さな島国で
この旅で知ったザハ・ハディドのデザインの建物や
豊かな自然と古い街並みに浮かび上がるように
鏡面の素材により周囲を映す現代的な建築も

現代建築は、その表面の素材により風景と直接的な関係を持ち

また万博においては、その形状は複雑さを備えていて

夕暮れの風景を、建物内部に取り込むように

またそれ自体が、空へと溶け込むような

鏡面の立方体が連続する建物をまた見上げ

その向かい建つ対象的で有機的な

建物が織り成す自由な形に

大屋根リングの緩やかな曲線を重ねながら

夕日に染まるその巨大な構造物へ、また上る

日も落ちて、光をまとう球体を持つオランダ館には
歴史的なつながりを持つ佐賀の
家具メーカーのレグナテックの家具や
有田焼の李荘窯の陶器が置かれる
またオランダを代表するキャラクターのミッフィーは
長崎のハウステンボスでも、人気の存在で

園内を走るバスの、その姿にも目を留めた
オランダがつなぐ佐賀と長崎は、いつも心の中にある

光を帯びる会場は、昼間と大きく雰囲気を変え

鮮やかな色彩の連続が、旅の終わりを演出する

大屋根リングの光の連続をたどっていく

その周囲に広がる穏やかな海は

静かに夜へと向かう

日が落ちる程に、作られた光は増幅し

この万博という祭典を彩る光がもたらす

陰影の存在も感じながら

光と影は入り混じるようにして
万博の機会を通して、未知なる風景に出会ったり、過去
の旅の風景に記憶をつなぐ。今はまだ旅の途中で、目の
前に広がる風景に、過去の旅を振り返り、この先の旅路
を描き、まだ見ぬ場所の、世界の魅力に思いをはせて。
